初のギターソロ作品『海のなかの湖』をリリースした青柳拓次(LITTLE CREATURES)の足跡を紐解く対談連載。
2本目はバンドメンバーの鈴木正人と栗原務を迎えて実施。LITTLE CREATURESを結成した学生時代のことから振り返り、青柳拓次のギター表現の変遷と、その奥底にあるものについて語り合った。
【Album Teaser】海のなかの湖 - 青柳拓次 | NAGALU-007/8
https://www.youtube.com/watch?v=h6TkdqFXqm8
ーみなさんの出会いから教えてください。
栗原:まず俺と青柳が中学受験の会場で知り合いました。というのも、俺の母親がモダンダンスの振り付け家で、青柳のお母さん(小原聖子)とお祖父さん(小原安正)のギターをバックに踊ったことがあって。
青柳:受験会場で「久しぶり!」って親同士で盛り上がってて、「うちの子、The Beatles好きなのよ」「うちの子も」みたいになってました。その後、それっきりになるかもしれないのに家に来たんです(笑)。
栗原:そうそう、遊びに行った。それで二人とも受かって、たまたま同じクラスになって「バンドやらない?」みたいな感じで。
青柳:最初のうちはThe Beatlesが好きっていうので、「Get Back」とかちょっと演奏したり、あとはほとんどオリジナル曲をやってましたね。
栗原:最初に遊び行ったとき、もうエレキ持ってたじゃない?
青柳:持ってた。お年玉を貯めて、小5ぐらいのときにARIAのダブルカッタウェイのやつを買って。
栗原:当時、そういう友達は一人もいなかった。お母さんに「エレキはダメ」とか言われなかったの?
青柳:めちゃくちゃ言われんだけど実際に手にしたら諦めて、応援態勢に入って。小学5年生っていうのもあったし、時代的にもロックは悪い人やっているイメージがあって「感電して死ぬわよ」とか言われたけど、勝手に買いました。
ー高校へ進んだときに鈴木さんが登場するわけですよね。どんなふうに知り合ったんですか?
鈴木:いきなり電話かかってきたんですよ、全然友達とかじゃないのに。
青柳:なぜ電話かけたのかは理由があって。高校に入ってすぐ、内部進学と外部から入ってきた生徒同士の交流のためにキャンプに行くんですよ。夜に大きな焚き火をするんですけど、その前で正人がギターをガーってやってて。それがもう鮮烈な印象で、「すごいやつが現れた」って(笑)。
鈴木:覚えてないんだよなー。でもその当時はいろんな楽器やってて、中学のときはドラマーになりたかったんだけど。
青柳:ドラムも達者だよね。で、そのとき正人がグイングイン弾いてて、「なんだこいつ!?」って。当時は連絡網があったから、それを見て電話して、「今、ドラムとギターしかいないから、ベースやらないか?」って誘いました。
鈴木:一番興味ない楽器だったのにね。ベースは持ってなくてずっと借りてやってましたね。
ー『イカ天』に出られたのは在学中ですか?
栗原:『イカ天』は卒業したぐらいのときで。
鈴木:卒業式の前じゃなかった?
栗原:事情があってウチらは5月に出てるんだよね。
鈴木:じゃあもう卒業した後ってことか。
ーLITTLE CRETURESの音楽性は、どのあたりで固まったんですか?
青柳:学祭でいろいろカバーをやったんですよ。イギリスのバンドのカバーが多かったけど、それこそジェイムス・ブラウンみたいなのから、スカバンドとか、パンクとか、The Poguesみたいなのやったり。それをギュッとした音楽性は最初あったかもしれないですね。
ー中高時代の青柳さんの印象はどうでした?
鈴木:「天才がいた」って(笑)。俺も中学でバンド組んでいたんですけど、青柳の演奏を初めて見たとき「センスが違う」と思いましたね。楽器を一生懸命弾いてる感じじゃなくて、もう自然にやってて全然違うなと。
栗原:オリジナル曲やろうよって持ってきたときも、やっぱり日本のポップスとかじゃなくて、ブリティッシュロックの影響、パンクにニューウェーブとかの頃の感じのニュアンスがありましたね。
ー青柳さんがイギリスに留学されたのはどういうきっかけだったんですか。
青柳:新百合ヶ丘の映画学校がアメリカのバークリー音楽大学からコースいっぱい集めてテープ審査する、っていうのに僕と正人で行って。自分はイギリスの音楽が好きだったし、やっぱり海外で勉強したかったのでリーズの大学に行きました。
そこで一応ジャズをやりつつ、いわゆる民族音楽に興味があって。イギリスってカリブからの移民のコミュニティがあるからスティールドラムのオーケストラがあるんですけど、そこに入ったり、ブラジルのパーカッションの講習を受けに行ったりしていましたね。
栗原:拓からカセットを送られてきたことあるんだよな。
青柳:ああ。ひたすらカリプソがかかっているラジオ局の番組を録音して送った気がする。
栗原:バンド的には3枚目の『NO VOTE NO VOICE』(1992年)で青柳の曲調がガラッと変わるんですよ。それまでとは明らかにリズムパターンが全然違うものになって。
青柳:それはイギリスでいろんな音楽を、いろんな人種の人とやった経験が影響されたのかも。
MURKY WATERS - Little Creatures
https://www.youtube.com/watch?v=bOoTpaHkU_U
ー留学後、青柳さんのギターって変わりました?
栗原:核になる歌い方みたいなものはそんな変わってない気がしますね。ただ、どんどん弾かなくなってきていますよね。
青柳:そこは好みというかね。もともと真ん中に歌があって、ギターは割とシンプルなのが好きかもしれない。
栗原:青柳のギターってパーカッシブだと思うんですね。運指が速いとかではなくてベース感があるというか、ボイシングの関係なのか同じ押さえ方でも全然違う響きになるようなところはありますよね。
ーお二人から見た青柳さんのソロの印象はどうですか?
鈴木:ソロでやっていることのほうがシンプルですよね。当たり前ですけど、パーソナルで、すごくシンプルだなっていつも思うかな。
栗原:青柳はソロの名義ごとにやってることが異なるんで、多重人格者というか(笑)。Kama Ainaはインストで、一人で多重録音的にやるシーンが盛り上がっていた時期だったんですけど、そことは近いアプローチだけど、また違うことやってて。
Hotaru - Kama Aina
https://www.youtube.com/watch?v=Mv2Loz3j23s
栗原:「青柳拓次」名義で日本語で歌ったものは、民謡とか沖縄に住んでいた影響も大きかったんじゃないかと思いますね。民謡だけどすごくロックで、その二つを融合させたんじゃなくて、そのまま同一線上にある感じが面白くて。『まわし飲み』(2010年)は愛聴盤で、すごい聴いています。クリーチャーズで日本語で歌ったらまた違うものになるし、すみ分けが不思議で。
青柳:本名名義だと、特に『たであい』(2007年)はアジアのフォークミュージックというか、国境もちょっと滲んだような感じで割と静かなものだったので、そのあとの『まわし飲み』はちょっと動きのあるアルバムにしたんですけど。
まわし飲み - 青柳拓次
https://www.youtube.com/watch?v=xg_qx_OWeqY
ー今回はソロギター作品ですが、どうでしたか?
鈴木:どこの国でもない、存在しないその国の日常を見ているかのような、その当たり前の風景が聴こえるのが面白かったですね。反復の使い方がうまいっていうか、ミニマルな要素がどの曲にもちょっと入ってて、ちょっと独特の距離感がある。そこが青柳っぽいっていうか。
青柳のメロディー感覚は独特で微妙な距離感があって、心の琴線にドンと入ってくる感じでもなくて、ちょっと映画っぽい感じがあるんです。個人的に旋律の感覚が本当にいいなって思う人って意外と少なくて、特に日本の人って独特のジメッとした感じがあると思うんですけど、青柳には感じないんですよね。
海のなかの湖 - 青柳拓次
https://www.youtube.com/watch?v=PrgawNJpspo
栗原:あと今回、短編小説がついていますけど、これは読んでも読まなくてもいいと思うんです。でも、これがあると字幕を見ているような気分になって、1曲ごとの独立したショートムービーを見てるような感覚がありましたね。自分の中にある風景が音によって喚起されるというか、それで映画を見ているような気分になって。
アルバムには収録曲と同題名の青柳拓次による短編小説集が封入されている。
青柳:この間、『フジロック』でハナレグミの永積くんに会って、「新しいソロよかったよ」なんて言ってくれて。そのとき、「言葉をやっぱり読んじゃうんだよね」って言ってました。「どうしてここでこういう言葉や表現が出てくるの?」とか聞かれたんですけど、答えられないんですよ。面白いって思ってくれたのがすごい嬉しいんだけど、そこは結構無意識に近いというか。
鈴木:でも割とね、そこも会ったときからずっと同じ印象っていうか。一緒にやり始めて、そういう美意識はずっとあるのかね。今回、ギター1本で、1曲1曲でジャンルも違って無国籍な感じだから余計そう感じるのかもしれないです。
魂に名をつけず - 青柳拓次
https://www.youtube.com/watch?v=cE0rRfEELSU
―栗原さんはどうでしたか?
栗原:すごくよかったですよ。ジャズでもないし、アコギのインストで複雑な展開とかコードがあるわけじゃないけど、すごく独特なものに聴かせるのはさすがだなと思いますね。
クリーチャーズでもどんどん歌わなくなってきているし、ついにギター1本ってところまでいったかって感じでした。ただ俺、ライブは何度か観に行ってて、そのときの印象がすごくあるんです。あのライブって録る前だよね?
青柳:うん、全然録る前。仕上げながらツアーやってたからね。
栗原:だからテンポ感とかもそのときとは違うんですけど、そのときのライブを観て浮かんだ「ポストトラディショナル」って言葉がすごいしっくりきたんです。そのライブのときに、できるだけ近い位置で聴きたいって印象があったんですけど、実際に音源聴いても部屋感があるようなギターの音で、自分の後ろに空間があるように感じて、その「近さ」はライブとすぐリンクしました。
【MV】六弦の音楽 - 青柳拓次 | NAGALU-007/8
https://www.youtube.com/watch?v=-NwOeCFQmoY
ー栗原さんの言う「ポストトラディショナル」感は、青柳さんとしては幼少期から民族音楽に関心があったことや留学された経験などが反映された結果なんでしょうか。
青柳:そうですね。留学してから特に世界の音楽を聴くようになって、それがずっと続いているんですよね。例えば、インドのタブラのリズムをギターのフレーズに置き換えるとか、アイリッシュのフィドルのフレーズをギターに置き換えてみるとか、自分が楽器をいじったり、練習するときによくやってて。
いろんな音楽の楽器のフレーズをギターに落とし込むことやるのが好きで、その蓄積がオリジナルを作るときに出てくる部分があるのかなと思いますね。それでちょっとトラディショナルっぽく聴こえるのかもしれませんね。
栗原:意識して聴いてなくても、青柳のことだから絶対どっかに民族音楽の要素とかトラディショナルな感覚を感じるんですよね。沖縄にいたとき、シャーマンに会いに行って言霊を大切にする感覚を教わったり、沖縄の風景とその音楽を肌身で感じた体験がどっかに風味として入っているように思う。
歩くことについて - 青柳拓次
https://www.youtube.com/watch?v=C_0cMmEn7MY
栗原:クラシックギターという楽器は西洋の楽器だし、西洋的な音鳴りがするもので、今回の作品も民族楽器の音で奏でられた民族音楽ではないですよね。でもトラディショナルであったり、民族音楽的なものの蓄積が変換されてクラシックギターという楽器で奏でられている。そういう作品なのかなと思いますね。
青柳:旋律をそのまま使うってことは、無意識に避けてるんだと思うんですよね。
栗原:沖縄音階を使って、とかね。
青柳:そうそう。民族音楽から受け取ったものは本当に自分の中で溶け切って下に沈んでいて、その上澄みをすくって出しているような、そういうところあるかもしれません。パッと聴いて「これ、あの音楽からきてるね」ってわかるようなものは避けているけど、民族音楽的なものは、実はすごいドロドロに溶けて浮かんできているのかもしれない。
栗原:青柳のことを知っているからかもしれないけど、それはすごく感じる。さっき正人が言ってた反復の使い方も、もしかしたらトランスとかからの影響もあるだろうし、そもそも青柳もテクノとかもすごい好きですからね。
青柳:きっと自分が素直に作った結果、勝手にこうなったってことなんだと思うんです。今回、自分が探しても見当たらなかったギターアルバムを作りたいっていうのが大きくあって。個性的を狙うより、なるべく自分の生きてきた感じをスッと出すと勝手に個性になるっていうことは経験としてわかっていたので、今回もそれでまとめたところはあります。
やっぱり、「こういうのお好きでしょ」っていうのは聴いてくれる人に失礼な気がするんですよ。ちゃんと一生懸命やって、聴いてくれる人が聴いてくれる状態がいいし、そうやって音楽に対する気持ちはずっと同じ感じでずっと来ていると思う。それを二人と一緒にやったり、一人でやったりしてきたんだなって思いますね。
聞き手:花井雅保(nagalu)
編集:山元翔一
▼プロフィール
Little Creatures
青柳拓次(Vo/G)、鈴木正人(Bass/Key)、栗原務(Dr/Per)の3人で87年、高校在学中に結成。新宿、渋谷を中心にストリートライヴを繰り広げながら人気を博し、90年にシングル「THINGS TO HIDE」でデビュー。デビュー2ヶ月後に、青柳はスコットランド、鈴木はアメリカへ語学兼音楽留学のため旅立つ。91年に1stアルバム「VISITA」をリリース。97年、3rdアルバム「little creatures meets future aliens」リリース以降は、"KAMA AINA"(青柳ソロ)、10人編成のエスペラント楽団 "Double Famous"(青柳・栗原)、鈴木はベーシスト、プロデューサーとしての活動など各々のソロ活動を行う。2000年、レーベル移籍を機にプライベート・レーベル「CHORDIARY」を設立。01年、4thアルバム「FUTURE SHOCKING PINK」、同年9月には初のライブ・アルバム「the apex」をリリース。05年、初の海外公演を行った後、5thアルバム「NIGHT PEOPLE」をリリース。同年、池上本門寺・野外特設ステージにてデビュー15周年祭を開催。2010年には、デビュー20周年を記念して、約5年ぶりのリリースとなる6thアルバム「LOVE TRIO」、レーベルの枠を越えた初のオールタイム・ベスト「OMEGA HITS!!!」、2011年1月にはLITTLE CREATURESをリスペクトする豪華アーテイストが参加したカバーアルバム「Re:TTLE CREATURES」をリリース。2016年7月に初の全編日本語詞による「未知のアルバム」をリリース。同年9月からは約11年ぶりのツアーを開催。2020年にはデビュー30周年を迎えた。2021年1月に最新アルバム『30』をリリース。孤高の存在としてマイペースに活動中。
青柳拓次
ギタリスト/作曲家 1971年、東京のクラシックギタリスト家系に生まれる。幼い頃よりギター、ピアノ、後に打楽器、民謡を学び、独学で作曲を始める。1990年、バンドLittle Creaturesでメジャーデビュー。ソロのKAMA AINA名義では、Geographic、Rumraket、Alien Transisterからアルバムを発表。これまで、日本、フィンランド、ブラジル、ドイツ、ベルギーの演劇作品で作曲を担当。また8本の映画音楽(ドキュメンタリーを含む)を手掛け、その内3作品では主演も務める。世界の民族音楽の都を訪ね、雑誌に寄稿するなど言葉の分野でも活動。2024年7月、初のソロギターアルバム『海のなかの湖』をnagaluよりリリース。
▼ライブ情報
青柳拓次『海のなかの湖』リリースツアー2024
https://www.nagalu.jp/concerts/takujiaoyagi
【岡山公演】
日程:2024年9月7日(土)
会場:城下公会堂 in KOTYAE
住所:〒700-0822 岡山県岡山市北区表町3丁目5−19
時間:OPEN 18:30 / START 19:00
料金:前売 ¥4,000 当日 ¥4,500
出演:青柳拓次(gt)
予約:http://shiroshita.cafe/events/v/1073
【大阪公演 with 福盛進也(drums)】 SOLD OUT
日程:2024年9月8日(日)
会場:シンコ エレメントス (cinco elemenstos)
住所:〒534-0021 大阪府大阪市都島区都島本通2丁目12−9 草野ビル
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:限定20名 ¥8,000 (食事付き)
出演:青柳拓次(gt)、福盛進也(dr)
予約:070-8995-2937 (BAR S)
【東京公演 | 海 - The Sea with 波多野睦美(voice)、鈴木大介(guitar)、福盛進也(drums)】
日程:2024年9月14日(土)
会場:BAROOM
住所:〒107-0062 東京都港区南青山6丁目10−12 フェイス南青山 1F
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:前売 ¥6,000 当日 ¥6,500 (+1ドリンク)
出演:青柳拓次(gt)、波多野睦美(vo)、鈴木大介(gt)、福盛進也(dr)
予約:https://baroom.tokyo/240914-2/
【京都公演】
日程:2024年10月12日(土)
会場:東福寺 光明院
住所:〒605-0981 京都府京都市東山区本町15丁目809
時間:OPEN 17:30 / START 18:00
料金:前売 ¥4,000 当日 ¥4,500
出演:青柳拓次(gt)
予約:TBA
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主催:nagalu / 有限会社花井
共催:GOOD TEMPO(東京公演 上野YUKUIDO工房)、城下公会堂(岡山公演)、株式会社フェイス(東京公演 BAROOM)
企画:桑原茂一(京都公演 freedom dictionary)
協力:Deco's Kitchen、Toriba Coffee、freedom dictionary、BAR S、King International
▼リリース情報
『海のなかの湖 - 青柳拓次』NAGALU-007/8
デビューから34年、青柳拓次が初のソロギター作品をリリース
「原点」とも言える六弦のみによる音楽を「新境地」として昇華
完全書き下ろしによる、楽曲と同タイトルの14遍の短編小説を収録音と共に時間の流れを美しく彩る
純文学を彷彿とさせる、青柳拓次の新たな章が今始まる!
★1990年にLittle Creaturesとしてメジャーデビューを果たして以来、日本の音楽シーンに多くの彩りを与えてきた青柳拓次が自らの「原点」ともいえるギターに正面から取り組んだ作品です。
★古今東西のあらゆる音楽に取り組んできた青柳拓次だからこそ作り上げることが出来た、様々な音楽のエッセンスを凝縮した研ぎ澄まされたメロディーの溢れる芳醇な作品となっています。
★ドラマー/プロデューサーの福盛進也との出会いによって生まれた本作品は、彼が惚れ込んだ青柳拓次の「声」を封印しつつも確かに存在させることを意識し、名器イグナシオ・フレタのギターから紡がれる音色は室内楽を6本の弦に置き換えたように響き、声・息づかい・記憶までをも浮かび上がらせます。
★詩集・エッセイなど文筆家としても評価の高い青柳拓次自身による初の短編小説集が封入されています。14篇の楽曲とタイトルを同じくする短編はそれぞれの曲と呼応し、新たな景色を映し出します。
★本作はレーベルnagaluのコンセプトのひとつである、最新のモノラル録音/ミックスで行われています。愛のある生々しい空間性はプロデューサー・福盛進也のディレクションならではであり、モノラルサウンドの新たな魅力を堪能できる作品となっています。
海のなかの湖 - 青柳拓次
Disc 1
1 プロローグ
2 魂に名をつけず
3 きちんと涙を流せば
4 光る雨
5 雪あかり
6 礼服の野蛮人
7 しめやかに聞こえてくる
8 未来の再訪
Disc 2
1 海のなかの湖
2 二つの月
3 遠ざかるほど近づく
4 ちぎれた炎
5 歩くことについて
6 まぶたの奥で動く目
7 エピローグ
8 六弦の音楽
Takuji Aoyagi - guitar
All songs composed by Takuji Aoyagi
All stories written by Takuji Aoyagi
Recorded at Sekiguchidai Studio, Tokyo June 1 & 4, 2023
Recording & Mixing Engineer: Yuichi Takahashi
Assistant Engineer: Tomoya Nakamura
Mastering Engineer: Shinji Yoshikoshi
Design: Yume Satou
Story Editor: Hikari Yuzawa
A&R: Masayasu Hanai (hanai studio)Production Management: Yuji Hirashima (King International)
Produced by Shinya Fukumori
Special Thanks to Yasumasa Obara and Seiko Obara
nagalu | S/N Alliance
https://linktr.ee/nagalu_snalliance