鬼才ジャンゴ・ベイツに師事したマリウス・ネセット
自身のルーツである北欧にザヴィヌル、ザッパ的な要素も加えた
コンテンポラリー・ラージ・アンサンブル作品!!
リオーネル・ルエケ(voice,g)の好演も!!
- アーティスト:Marius Neset
- レーベル:ACT MUSIC
- 品番:ACT-9038
- ジャンル:ジャンルジャズ
- 価格:オープン価格
- 形態:CD
鬼才ジャンゴ・ベイツに師事したマリウス・ネセット
自身のルーツである北欧にザヴィヌル、ザッパ的な要素も加えた
コンテンポラリー・ラージ・アンサンブル作品!!
リオーネル・ルエケ(voice,g)の好演も!!
Marius Neset / Circle of Chimes
1. Satellite
2. Star
3. A New Resolution
4. Introduction to Prague's Ballet
5. Prague's Ballet
6. Life Goes On
7. Sirens of Cologne
8. The Silent Room
9. 1994
10. Eclipse
All music composed and arranged by Marius Neset
メンバー:
Marius Neset(ts, ss), Lionel Loueke(g, vo), Andreas Brantelid(cello),
Ingrid Neset(fl, piccolo, alto fl), Ivo Neame(p), Jim Hart(vib, marimba, perc),
Petter Eldh(b), Anton Eger(ds, perc)
◆ノルウェー出身1985年生まれのサックス奏者 / 作曲家、マリウス・ネセットの、リーダーとしては通算6枚目、ACTからは4枚目となる新作。弦楽器なども交えた大型編成での作品が多く、特にACT一作目『Lion』三作目『Snowmelt』はオーケストラとの共演作だったが、今作は計8人(曲により変動あり)。曲はすべて自身のオリジナルで、アレンジもこなす。(『Lion』はノルウェーのグラミー賞Spellemannprisenに選ばれた)
◆西アフリカ、ベナン共和国出身リオーネル・ルエケの参加にも注目。マリウスは、ルエケのサウンドやヴォイスも意識して曲を作曲したという。ギター・プレイはもちろん、得意のヴォイス・パフォーマンスで存在感を放つ。フルートのI ngri d Neset はマリウスの妹だ。
◆マリウスはテナー奏者としてはもちろん、今日のヨーロッパのジャズシーンで、若い世代の革新者の最も刺激的で野心的な作曲家の一人として賞賛されており、今作はそんな彼の才能が遺憾なく発揮されている。
◆2つの鐘の音をフィーチャーして始まる。タイミングが少しずつずれており、何回かに1回重なるようになっている。この、2つの鐘の円のようなパターンが、アルバムタイトルの“Circle of Chimes”ということだそう。そこに乗るクラシカルなチェロが何とも幻想的で美しい。2曲目“Star”も鐘が鳴るが、曲調はガラリと変わる。ミニマル的で華やかなパターンから壮大なテーマに続き、マリウスのエフェクトを利かせたコンテンポラリーなテナー・ソロは聴きもの!かと思えば5曲目“Prague's Ballet”では室内楽のような雰囲気に。ここでもマリウスの表現の豊かなソプラノ・サックスを堪能できる。また、リオーネルの声を想定して作曲したというマリウスの言葉通り、2曲目のラストや7曲目など、リオーネルの独特なヴォイスがフィーチャーされた、アフリカンな雰囲気でワールド感漂うサウンドとなっている。爽やかな中にも一癖ある6曲目、曲調が何度も変化する9曲目など、どの曲もアイデアやユーモアに溢れている。
◆マリウス自身、またドラムのAnton Eger、ベースのPetter El dh共、コペンハーゲンのリズミック・ミュージック・コンサーヴァトリーで、鬼才ジャンゴ・ベイツに師事したという経歴で、細部まで作り込まれたコンポジション / アレンジと即興が入り混じるバランスは絶妙。またジョー・ザヴィヌルが切り拓いたワールド・ミュージックを取り込んだコンテンポラリー・アンサンブル、フランク・ザッパ的な猥雑さも意識しているとのこと。ジャズという範疇を越え、唯一無二のサウンドをクリエイトしたアーティストの音楽を手本にし、なおかつ自身のルーツである北欧的なものとミクスチャーしているところも、興味深い。
◆本作の原点は、2014年、ケルン・フィルハーモニーのニュー・イヤー・コンサートに嘱託されたことが原点とのことながら、「このアルバムは、私が作った他のアルバムよりもパーソナルなものです。」と語るマリウス。彼の真価が発揮された、今後の代表作になり得ると言っても過言ではない一作となった!