ヨアヒム・キューン・ニュー・トリオ第2弾!
封印していたピアノ・トリオ編成再び
自らドリーム・チームと呼ぶバンドの約2年振りの録音
- アーティスト:Joachim Kühn
- レーベル:ACT MUSIC
- 品番:ACT-9861
- ジャンル:ジャンルジャズ
- 価格:オープン価格
- 形態:CD
ヨアヒム・キューン・ニュー・トリオ第2弾!
封印していたピアノ・トリオ編成再び
自らドリーム・チームと呼ぶバンドの約2年振りの録音
Joachim Kühn / Love & Peace
1. Love And Peace (Joachim Kühn)
2. Le Vieux Chateau (Modest Mussorgsky)
3. Christal Ship (The Doors)
4. Mustang (Joachim Kühn)
5. Barcelona - Wien (Joachim Kühn)
6. But Strokes Of Folk (Joachim Kühn)
7. Lied ohne Worte No. 2 (Eric Schaefer)
8. Casbah Radio (Chris Jennings)
9. Night Plans (Ornette Coleman)
10. New Pharoah (Joachim Kühn)
11. Phrasen (Joachim Kühn)
2017年5月15, 16日録音
メンバー:Joachim Kühn(p), Chris Jennings(b), Eric Schaefer(ds)
★2015年に結成し、2017年のECHO Jazz Awardにおいて、ベスト・ジャーマン・アンサンブル賞を受賞したヨアヒム・キューン・ニュー・トリオによる待望の最新作!
★ヨアヒム・キューンのトリオといえば、1980年代中ごろに結成し、ヨーロッパの一つの頂点ともいえる先鋭的な即興と、美的な感性を結実させたJ.F.ジェニー・クラーク、ダニエル・ユメールとのトリオが圧倒的に有名ながら、J.F.ジェニー・クラークの夭折により98年に終止符。それ以来、キューンは、このフォーマットでの活動を封印していましたが、クリス・ジェニングスと、エリック・シェーファーという若き才能を見つけて以来、New Trioと位置づけてピアノ・トリオでの活動を再開。キューン曰く、“エリック・シェーファーとは10分演奏して、即、これから一緒に演奏したいと確信した”のだそう。クリス・ジェニングスとも同じようなフィーリングを感じたとのこと。つまり、このバンドは、キューン自身が満を持して結成したトリオといえます。
★作品としては2016年初頭にリリースした『Beauty & Truth』(2015年7月録音)から約2年ぶりのレコーディングでこれが2作目。基本路線は、大きく変わることなく、キューン自身のコンポジションに加え、影響を受けたアーティストの楽曲をまじえた11曲。90年代終わりに数年の間共演し、Duoで制作したアルバムでもとりあげたオーネット・コールマンの楽曲“Night Plans”をとりあげ、妖艶かつ、ロマンたっぷりに美しく奏であげるところには、キューンのオーネットへの思いの深さが物語られていますし、ドアーズのナンバーを再度取り上げるところには、60年代末という激動の時代に直面しながら表現を追究した同世代活動アーティストへの共感とある種の退廃的なムードが印象的です。
★しかし、今回は前作に比べ、オリジナルがより多い構成。キューン曰く「新しい作品は、短く、簡潔な楽曲でシンプルにメロディックなものにしたかった」との言葉通り、ノスタルジーさえかきたてるようなM4のようなナンバーは、従来とは一味違う演奏とも感じます。ブルージーでカントリー的な風合いの、いい意味での抜けた感じは、73歳という年齢を迎えたアーティストの年輪でしょうか。一方、M5は、タイトル通り、バルセロナからウィーンへの飛行機の中で作曲されたとのことですが、この楽曲には、クラシック音楽の王道的なフレージングと、ダークなジャズ・サウンドが交わるというユニークな展開も見せてくれています。
★メンバーそれぞれの楽曲も一曲ずつ、収録。哀感たっぷりなシェーファーの楽曲に対して、スウィンギーなイントロを冠した楽曲を提供したジェニングスという二人の異なるコンポジションも注目です。特に、M8のジェニングスの楽曲では、ベースソロに導かれてキャッチーさを見せながらも、演奏が進むにつれ、プログレッシヴになって熱を帯びていく展開。このトリオのインプロヴィゼーションには、ジェニー・クラークとユメールとによるトリオのしなやかな力の漲る演奏を思い起こさせる力も秘めています。
★キューン曰く“ドリーム・チーム”と呼ぶバンド。まだ3年のニュー・バンド。キューンには一生現役を貫いて、革新的な演奏をみせてほしいものです。