セイソンがハープでつづる怪奇の世界
- アーティスト:エマニュエル・セイソン
- レーベル:APARTE
- 品番:AP-179
- ジャンル:ジャンルクラシック室内楽
- 価格:オープン価格
- 形態:CD
セイソンがハープでつづる怪奇の世界
バラード・イン・レッド
①ルニエ:幻想的バラード
②カプレ:幻想的な物語
③レオーネ:赤の五重奏
④ヒンデミット:ハープ・ソナタ
⑤サルツェード:バラード
⑥ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲
エマニュエル・セイソン(ハープ)、ヴォーチェ弦楽四重奏団
録音:2017年6月27–30日/リトル・トリベカ(パリ)
★エマニュエル・セイソンのApartéレーベル第2弾はソロ+ ヴォーチェ弦楽四重奏団との共演3篇を収めています。全体のコンセプトは文学で、とりわけエドガー・アラン・ポーの「赤死病の仮面」に基づくカプレの「幻想的な物語」と、その続きとして2002年にグスターヴォ・レオーネが作曲した「赤の五重奏」をメインに据えています。ポーの「赤死病の仮面」は街中を赤死病という恐ろしい疫病が猛威をふるうなか、国王プロスペローは城内に籠り日夜臣下と饗宴に耽っていたところ、突然現れた死装束の魔物に殺されるという話。前半をカプレ、後半をレオーネが描いていますが、オリジナル・ブックレットでセイソン自身が魔物に扮する凝りよう。赤いステンドグラスの黒い部屋まで演出しています。
★ルニエの「幻想的バラード」もポーの「告げ口心臓」からインスパイアされた作品で、またドビュッシーの「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」は直接ポーとは関連性はありませんが、ドビュッシーはポーの文学に関心が深く、「鐘楼の悪魔」と「アッシャー家の崩壊」のオペラ化を試みています。またヒンデミットのハープ・ソナタの第3楽章はドイツの詩人ヘルティの一節が掲げられています。20世紀前半に活躍したヴィルトゥオーソ、サルツェードの難曲「バラード」も物語性を秘めていて聴き応え満点。セイソンの語り口の巧さが光ります。サルツェードはフランスに生まれ、メトロポリタン歌劇場の首席ハープ奏者を務めた所がセイソンと同じため、セイソンは「サルツェードの再来」と称されています。