ショスタコーヴィチ幻のヴァイオリン・ソナタが
ついに日の目を見た
- アーティスト:リナス・ロス
- レーベル:CHALLENGE CLASSICS
- 品番:CC-72680
- ジャンル:ジャンルクラシック協奏曲
- 価格:オープン価格
- 形態:SACD Hybrid
- 収録時間:55:28
ショスタコーヴィチ幻のヴァイオリン・ソナタが
ついに日の目を見た
戦時下の慰め
①ハルトマン:葬送協奏曲(1939)
②ヴァインベルク:ヴァイオリン小協奏曲Op.42 (1948)
③同:モルダヴィア狂詩曲Op.47の3 (1948)
④ショスタコーヴィチ:未完のヴァイオリン・ソナタ(1945)
リナス・ロス(Vn)、ルーベン・ガザリヤン(指揮)
ヴュルテンベルク室内管弦楽団①②、ホセ・ガジャルド(Pf) ③④
録音:2015年1月22-24日/オッフェナウ文化催事会館「ザリーネ」(ドイツ)
★SACD Hybrid盤。これは凄い。2012年に出版されたショスタコーヴィチの未完のヴァイオリン・ソナタがついに世界初録音されました。1945年、交響曲第7番「レニングラード」とほぼ同時期に作曲され、第1楽章の225小節が残されていますが、まだ主題提示部だけで、もし全体が完成していたら、「レニングラード」交響曲ばりの大曲になっていたといわれます。かつてシュニトケが補筆完成を依頼されたものの、あまりに特異な構成ゆえ断念したといわれます。ショスタコーヴィチ・ファンが聴きたくてたまらなかった作品でしたが、ついに日の目を見ました。内容的には「レニングラード」交響曲よりも交響曲第10番に近いどす黒い闇に満ち、興味津々です。
★オーケストラ伴奏の2篇も注目。ハルトマンの作品は「反ファシズム」とも呼ばれ、絶望感が全篇に漂います。反面ヴァインベルクの小協奏曲は陽性でエネルギーに満ち、ハルトマンと対照的に人生肯定な内容となっています。さらに嬉しいのが「モルダヴィア狂詩曲」。これはヴァイオリンとオーケストラのための技巧的で鮮やかな民族色に彩られた作品で、さながらヴァインベルク版「ツィゴイネルワイゼン」。かつてオイストラフの独奏、作曲者自身のピアノ伴奏による古い録音がありましたが、最新録音は大歓迎。
★リナス・ロスは1977年ドイツのラーベンスブルク生まれ。2006年EMIよりCDデビュー。以後同世代のヴァイオリン奏者の中でも、歴史に埋もれた作曲家や珍品の演奏で注目を集めています。ヴァインベルクのヴァイオリン・ソナタ全集は特に重要で、これにより世界的に注目されました。ザハール・ブロンやアッカルドに師事し、2012年からはアウグスブルクの大学の「レオポルト・モーツァルト・センター」で教授を務めています。1703年製のストラヴディヴァリ「Dancla」を使用。