★先日3月12日、長い音楽生活にピリオドをうつことを発表したトゥーツ･シールマンス。
1922年4月29日生まれのトゥーツは、今既に91歳。体力的にも限界に近いことは想像に難くありませんが、“自分の音楽を愛してくれたオーディエンスを失望させたくないため”とした発表は、実にトゥーツらしい誠実で繊細な言葉であり、まぎれもない一流の音楽家として活動したアーティストの姿を感じるように思います。
★そんな折、90歳を記念した感動のコンサート映像が、ブルーレイで発売の運びとなりました。
★2012年5月17日、ベルギー、リエージュでのコンサート。
★演奏されるのは、このグループが愛してきたものばかり。快活な“グリーン･ドルフィン”、ビター･スウィートな“酒バラ”、黄金のメドレー“、アイ･ラブ･ユー･ポーギー～サマータイム”。
長い生涯の中でも屈指の名曲と言える“真夜中のカウボーイ”や“ブルーゼット”ももちろん演奏。そして、ラストは、涙なくしては聴けないサッチモゆかりの“この素晴らしき世界”。これらは、全ての音楽ファンへの贈り物と言って過言ありません。
★また演奏ももちろんのことながら、メンバー同士の視線や、会話の数々も感動的です。
それらは一つ一つが、共に音楽を奏でてきた仲間の信頼感やドラマを物語るもの。クライマックスに映るトゥーツとメンバーの目を滲ませた涙は、言葉を越えた感動をよびます。
★日本では2011年の公演が最後になり、引退は、非常に残念なニュースではありますが、記録された音声や映像は永遠に不滅です！