トゥーツ･シールマンス、アート･ファーマー、ダスコ･ゴイコヴィッチといった超大御所との共演、またミッシェル･ペトルチアーニや、ONJといったフランスを代表するアーティストやグループにも参加経験をもつ、フィル･アブラハムの最新作。日本市場では、ミッシェル･ハーをバックに迎えたIgloo盤がレアとされて、話題になりました。本作は、そんなアーティストのちょっとユニークな作品。プロデューサーそして、ベーシストとして、トゥーツ･シールマンスのヨーロピアン・カルテットや、エンリコ･ピエラヌンツィ･ トリオのメンバーとしても知られるHein Van de Geynを迎えてストレート･アヘッドな演奏かと思いきや、ご本人自身、スキャットも織り交ぜて、歌ったり、語ったり。しかも、お題はa Proud Raven(高慢なカラス) & a Clever Fox（利口なキツネ）とか。今や、ブリュッセル王立音楽院でも教鞭をとるベテランならではの遊び心。ニューオリンズ的な楽しさ、ブルースと、コンテンポラリー･インプロがごった煮になった不思議な作品。