＜＜CAM JAZZ Remastered Reissue Series＞＞
★2010年に結成40周年を迎えた超長寿バンド、オレゴンの2012年録音作品。結成時のオリジナル･メンバーであるコリン･ウォルコットを不慮の事故で失って以来、メンバー･チェンジはたびたび。しかし、ポール･マッキャンドレス～ラルフ･タウナー、そしてグレン･ムーアを核としたバンドは、不滅のクリエイティヴィティを誇っています。
★タイトルは『Family Tree』。日本語にすれば家系図、系譜、と訳されますが、これは、直接の親類、家族といったものを意味するのみでなく、バンドが関わるエンジニアやプロデューサーといったスタッフを始め、ファンやリスナー、また彼らが長く活動してきた中で勇気を与えてくれた全ての人を意味して付けたタイトルだとか。そして、そんなタイトルを付された作品は、彼らの40年の軌跡が熟成された作品といった印象です。
★メンバーは、この10年余り不動ともなったマーク･ウォーカーを迎えての4人。ウォーカー加入当時にはPOPに偏ったという声があがり賛否両論だったものの、その後は長く活動した彼らならではの発展をみせて来たと言えましょう。マッキャンドレスの美しいオーボエがフィーチャーされ、ラルフ･タウナーの端正なアコースティック･ギターと絡み合うオープニングを始めとし、4人のコンテンポラリー･ジャズの美しいインプロが聴けるナンバーあり、70年代のパット･メセニー･グループを彷彿とさせるクロス･オーバーもありつつ、バンド結成時、Vanguard時代を思い起こさせるナンバー、中には実験音楽的な楽曲も。
★また、ラストは、今までになくカラフルな色彩感を帯びたサウンド。ザヴィヌル･シンジケート的なものも彷彿とさせる演奏には、クロスオーヴァーなサウンドをクリエイトし続けているバンドの本質を感じさせられます。