★シモン・ラクス (1901-1983) はユダヤ系ポーランド人作曲家。ビルケナウ（アウシュヴィッツ第2）収容所から奇跡的に生還し、その体験談は「死の国の音楽隊」（邦訳・音楽之友社刊）で読むことができます。戦後は文才を生かし、翻訳の世界で名を成しました。戦前にパリで生活した彼の作風は、ポーランドの民族色を香らせながらも洗練されていて、親しくした同郷の同僚タンスマンの作風を思わせます。このアルバムはラクスの代表的な室内楽を初めてまとめたもの。シマノフスキに献呈されたヴァイオリンとピアノのための「ポーランド組曲」が聴きものです。