★ポール・ブレイのESP第1作『Barrage』は、2本の管楽器が加わってフリーで過激な演奏が繰り広げられる中に不思議と静寂を感じさせるブレイならでは作品でしたが、この第2作に至り、まさに現在のブレイの原点と呼べるような繊細かつ鋭敏なトリオ演奏を聴かせてくれました。演奏している10曲のうちカーラ・ブレイの作品が7曲、それ以外はポール自身、オーネット・コールマン、アネット・ピーコックが1曲ずつという構成で、スティーヴ・スワロウ、バリー・アルトシュルとのコンビネイションも素晴らしく、同じトリオで同年のニューポート・ジャズ・フェスティヴァルに出演した時よりも緻密なインタープレイを聴くことができます。