シュタイアーの新譜はブラームス晩年の作品
名手コッポラと組んだ傑作クラリネット・ソナタ
1875年製のスタインウェイピアノの渋く輝く音色
- アーティスト:ロレンツォ・コッポラ、アンドレアス・シュタイアー
- レーベル:HARMONIAMUNDI
- 品番:HMC-902187
- ジャンル:ジャンルクラシック室内楽
- 価格:オープン価格
- 形態:CD
- 収録時間:62:15
シュタイアーの新譜はブラームス晩年の作品
名手コッポラと組んだ傑作クラリネット・ソナタ
1875年製のスタインウェイピアノの渋く輝く音色
ブラームス(1833-1897):クラリネットとピアノのためのソナタ集
・クラリネット・ソナタ第1番 ヘ短調op.120-1
・6つのピアノ小品op.118
・クラリネット・ソナタ第2番 変ホ長調op.120-2
ロレンツォ・コッポラ(クラリネット/B管、ベルマン・オッテンシュタイナーのモデルによる、シュヴェンク&セゲルケ製、バンベルク、2001年)
アンドレアス・シュタイアー(ピアノ [ニューヨーク・スタインウェイ、1875年製])
録音:2013年10月
★鍵盤楽器の鬼才アンドレアス・シュタイアーの新譜はブラームス。ブラームス最晩年の屈指の名曲クラリネット・ソナタ、およびピアノ小品(ソロ)というプログラムです。クラリネットを演奏するのは、フライブルク・バロック・オーケストラのメンバーでもあり、モーツァルトの最後の協奏曲【HMC 901980(廃盤)】でクラリネット協奏曲を収録、世界を魅了したロレンツォ・コッポラ。
★コッポラとシュタイアーによるクラリネット・ソナタというだけでも既に心躍りますが、もうひとつ注目なのが、楽器です。クラリネットは、ブラームスがクラリネット作品を書くきっかけを与えた当時の天才奏者ミュールフェルトも使用していたベルマン&オッテンシュタイナー・モデルの楽器を使用。1875年製のスタインウェイと、バランス的にも音色的にも、素晴らしく融け合っています。
★クラリネット・ソナタ第1番では、冒頭のシュタイアーの前奏から、ただならぬ雰囲気。終楽章の活発なピアノに触発されたようなコッポラのクラリネットも圧巻です。第2番では、やさしく甘い第1楽章の旋律で、コッポラがとろけそうな音色を奏でます。幻想曲風な第3楽章の幕切れも、ピアノの音色が独特の世界をいっそう盛り上げます。クラリネット・ソナタ2作の間に収録されているのはシュタイアーのソロ。晩年のブラームスが自分の作品ひいては人生を振り返って懐かしんでいるような作品を、シュタイアーが、彼ならではのやわらかな語り口と、スタインウェイの銘器の音色を最大に活かしながら、いつくしむように奏でています。