ケラス、最新盤
ヨーロッパと中東
伝統音楽と現代音楽をケラスのチェロが見事に融合
- アーティスト:ジャン=ギアン・ケラス
- レーベル:HARMONIAMUNDI
- 品番:HMC-902242
- ジャンル:ジャンルクラシック現代音楽
- 価格:オープン価格
- 形態:CD
ケラス、最新盤
ヨーロッパと中東
伝統音楽と現代音楽をケラスのチェロが見事に融合
「THRACE」
トラキアの伝統音楽~サンデー・モーニング・セッションズ
フランク・ルリシュ:ハムサ
S.シノプロス:ニハーヴェント・セマーイー
ルトスワフスキ:ザッハー変奏曲
オスタド・モハメアド・レザ・ロフティ:ザブリとシュスタリ
作曲者不詳(伝承曲/アラビアの歌):Visite nocturne
作曲者不詳(伝承曲):私が鳥だったら
作曲者不詳(ギリシャの結婚の歌ほか):日曜日の朝
シェミラーニ兄弟:Dast e Kyan(即興演奏)
イェルク・ヴィトマン:デジタル・エチュード(2015)
作曲者不詳(バルカンの伝承曲):ハサピコ
ロス・ダリー:カルシラマ
トラキアの伝統音楽:7/8のダンス
ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
ソクラティス・シノプロス(リラ)
ケイヴァン・シェミラーニ&ビヤン・シェミラーニ(ザルブ/ダフ)
録音:2015年9-10月
★ケラスがいざなう、時空を越えた旅路。蠱惑的なリズムに乗ってケラスが奏でる古の旋律と、打楽器、リラの音色が合わさって、古の人々が行き交う喧騒が聞こえてくるかのよう。古楽から現代まで、おそろしいまでに精確な技術でいとも簡単にその垣根を越えるケラスによる、時代と地域を大きくまたがるプロジェクトの登場。タイトルのTHRACEとは、紀元前2,3世紀に栄えた文化交流も活発なトラキアのことで、歴史的に様々な地域のことを指しますが、本アルバムでは、ギリシア、トルコおよびブルガリアの音の原風景がとらえられています。ケラスのチェロの音色と、シノプロスが奏でるリラの音色が混然一体となり生まれる魅惑的な旋律、シェミラーニ兄弟のパーカッションの妙技にも引き込まれる1枚。
★幼馴染の名打楽器奏者シェミラーニ兄弟、そして12年来の知り合いであるリラの名手、シノプロスの繰り出すリズムと音色が織りなす世界に、ケラスは自分やチェロという存在を融け込ませています。注意深く聴けば紛うことなきケラスのチェロの音色なのですが、チェロという楽器の枠を越えた世界が広がっています。2016年6月には本アルバムのメンバーとプログラムを携え来日、聴衆を熱狂させました。ケラス自身、「ずっと取り組みたかったプロジェクト」と語るプロジェクト。変幻自在、きわめて柔軟なケラスの音楽力にあらためて驚嘆させられる1枚です。
★本CD1曲目の「ハムサ」は現代の作曲家によるもの。5拍子で書かれているのですが、西洋音楽に慣れ親しんだ耳には馴染みのないリズムに感じられ、1曲目から聞き手は一気に別世界へと引き込まれます。アルバムのタイトルにもなっているサンデー・モーニングは、ギリシアに伝わる結婚の歌をシノプロスがアレンジしたもの。クレタ島では、結婚を祝う音楽に、リラは欠かせないと言います。ルトスワフスキの作品は微分音が多様され、伝統音楽の音響とマッチします。また、ヴィトマンの作品デジタル・エチュード(フランス語のdigitalは「指の」の意もある)は、ブーレーズ追悼のために書かれたもので、弓をまったく用いず、ピツィカートやチェロ本体をたたく音のみで構成されており、シェミラーニ兄弟のパーカッションにも通じます。全体をとおしてプログラムを見ないで聴くと、伝統音楽なのか現代音楽なのか、区別がつかないくらいに巧みに構成された1枚。チェロとリラの音色も絶妙にマッチします。ケラスのような名手だからこそ為し得た、文化・文明の高度な融合がここにあります。
ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
KKC-5944
ジャン=ギアン・ケラス
HMM-902278
ジャン=ギアン・ケラス
KKC-5913
ジャン=ギアン・ケラス
KKC-5866
ジャン=ギアン・ケラス
HMM-902331
ジャン=ギアン・ケラス
HMC-902242
ジャン=ギアン・ケラス、イザベル・ファウスト、アレクサンドル・メルニコフ
KKC-5618
ジャン=ギアン・ケラス、イザベル・ファウスト、アレクサンドル・メルニコフ
HMC-902197
ジャン=ギアン・ケラス、アレクサンドル・メルニコフ
KKC-5402
ジャン=ギアン・ケラス、アレクサンドル・メルニコフ
HMC-902183
ジャン=ギアン・ケラス
HMG-501816