エガーのひらめきに満ちたパルティータ
鮮烈かつ高密度の録音も魅力
- アーティスト:リチャード・エガー
- レーベル:HARMONIAMUNDI
- 品番:KKC-5762/63
- 原盤品番:HMM-907593
- 国内盤:(国内仕様)
- ジャンル:ジャンルクラシック音楽史/古楽
- 価格:¥4,500 + 税
- 形態:2CD
- 付属品:輸入盤・日本語帯・解説付
エガーのひらめきに満ちたパルティータ
鮮烈かつ高密度の録音も魅力
J.S. バッハ:パルティータ(全曲)
[CD1]
・第1番 変ロ長調 BWV 825
・第2番 ハ短調 BWV 826
・第4番 ニ長調 BWV 828
[CD2]
・第3番 イ短調 BWV 827
・第5番 ト長調 BWV 829
・第6番 ホ短調 BWV 830
リチャード・エガー
(チェンバロ/ジョエル・カツマン、アムステルダム(1991年製)/
1638年リュッカース・モデル)
録音:2016年1月
★フランス組曲(HMU 907583/KKC 5673)でも高い評価を得たエガーによる、バッハのパルティータ全曲の登場。パルティータは、バッハにとっての作品1すなわち初めて出版された作品。1726年に第1番を、以降毎年第2番、第3番と1曲ずつ出版。1731年にまとめて6曲の曲集「パルティータ」として出版されました。当時の人々の趣味に沿うように組曲の形式をとりながら、その1曲1曲がひらめきと霊感に満ちた力作ぞろいです。エガーはすべての反復記号を実施、反復時になんとも密度の濃い装飾を施しており、反復であることを忘れさせます。エガーの冴えわたるひらめき、そしてそのひらめきをあますところなくとらえた濃密な録音は見事。
バッハの作品を論じるときにしばしば用いられる「数字」。このディスクでも、エガーは自身でライナーノートを書いていますが、この数字をベースに興味深い文章を寄せています。BACHをアルファベットの文字順に数えると[2,1,3,8]となります。第1番のプレリュードは21小節、アルマンドは38小節から成り、バッハは自身の名前を刻印するかたちで組曲の幕を開けたことにはじまり、第6番でも小節数や和音の種類など、様々な数字の意味について述べています。もちろんそんな分析的なことを抜きにして、エガーの鮮烈かつ説得力満点の演奏に圧倒される2枚組です。
◆レコード芸術 2017年10月号 特選盤