★2016年4月に行われたワレリー・ゲルギエフ指揮、マリインスキー歌劇場管弦楽団によるプロコフィエフ生誕125周年特別コンサートの模様を収録したブルーレイとDVDボックスが発売となります。
マリインスキー劇場では、2016年プロコフィエフ生誕125周年を祝して数日間に渡り多くのイベントやコンサートが行われました。4月23、24日の2日間にはプロコフィエフのマラソン・コンサートがモスクワとサンクトペテルブルクの両都市で行われました。モスクワでは朝からゲルギエフ指揮マリインスキー管弦楽団による交響曲のコンサートで始まり、デニス・マツーエフ、デニス・コジュヒン、ダニール・トリフォノフ、レオニダス・カヴァコスらソリスト陣を迎え協奏曲が演奏されました。そしてなんと!ゲルギエフはその日中にモスクワからサンクトペテルブルクに戻り指揮をするという超人的なスケジュールをこなしています。さらに注目すべきは交響曲、協奏曲が全曲演奏されただけでなく、表現主義的な「彼らは七人」、いわくつきの「十月革命20周年のためのカンタータ」、そして後期の代表作「アレクサンドル・ネフスキー」「イワン雷帝」までこの2日間で上演され、プロコフィエフの作品がこれほど集中的に掘り下げて取り上げられたことはこれまでにほとんどなかったでしょう。また当盤では、これらの作品にも日本語字幕が対応しています。
さらに、ドキュメンタリー「Prokofiev on the way」では、ロシアの俳優コンスタンチン・ハベンスキーがプロコフィエフ役となり彼の人生を辿りつつ、11都市24日間26公演行われた第11回モスクワ復活祭音楽祭のコンサート映像、ゲルギエフのインタビューをまとめた見ごたえのあるドキュメンタリーです。
◆レコード芸術 2018年8月号 特選盤