モーツァルト: ピアノ・ソナタ 第12番, 第14番, 幻想曲、クレメンティ: ピアノ・ソナタ ト短調

チッコリーニ、La Dolce Voltaレーベル第2弾
圧巻のクレメンティ、絶美のモーツァルト

  • アーティスト:アルド・チッコリーニ
  • レーベル:LA DOLCE VOLTA
  • 品番:LDV-06
  • ジャンル:ジャンルクラシック器楽曲
  • 価格:オープン価格
  • 形態:CD
  • 付属品:日本語解説付

TRACK LIST

①モーツァルト(1756-1791):幻想曲 ハ短調 KV 475
②モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番 ヘ長調 KV 332
③クレメンティ(1752-1832):ピアノ・ソナタ ト短調 op.34-2
④モーツァルト:ピアノ・ソナタ第12番 ハ短調 KV 457

アルド・チッコリーニ(ピアノ/ベヒシュタイン)
録音:2011年12月、パリ(改革派受胎告知教会)

★ La Dolce Voltaレーベル、チッコリーニ(1925年8月15日生まれ)のアルバム第2弾の登場。モーツァルト:ソナタ集(LDV 03)でも、奇跡的ともいえるような澄みきった音楽を聴かせてくれたチッコリーニ。このCDの録音が行われたのは2011年12月の録音ですから、チッコリーニ86歳の演奏ですが、今回も期待が高まります。
★まずこのアルバムで注目なのが、クレメンティのソナタ。クレメンティといえば、ピアノ学習者なら誰でも習う「グラドゥス・アド・パルナッスム」練習曲集ばかりが有名ですが、そのピアノ・ソナタも、規模も大きく、また作風も当時の最先端をいくものばかりです。このト短調op.34-2も演奏時間22分ほどの非常に充実した作品。チッコリーニがこの作品を知ったのはホロヴィッツのレコードだったといいます。聴いてその美しさに衝撃を受け、いわば一目ぼれして、楽譜屋に飛んで行って楽譜を購入し、夜通し楽譜を読んだと言います。チッコリーニは好んでこの作品をよく演奏しているといいますが、そのことがよく感じられる演奏です。第1楽章冒頭の印象的な序奏、続く疾走するような情熱のパッセージ、第2楽章での慰め、第3楽章の哀しみをたたえた情熱が疾駆する様子など、圧巻の説得力です。この情熱と意欲に満ちた大曲に、チッコリーニという素晴らしい奏者による新録音が生まれたことは嬉しい限りです。モーツァルトはクレメンティのことを批判していましたが、チッコリーニは、「幻想曲」ハ短調K475およびソナタハ短調K457、そしてこの「悲劇的ともいえる」クレメンティのソナタト短調は、そのドラマ性でつながっている、したがってこのようなプログラムを組んだ、とも語っています。
★冒頭収録のモーツァルトの幻想曲 ハ短調およびハ短調のソナタは、チッコリーニが60歳の頃、レパートリーに加わった作品ということ。幻想曲での、ゆったりとしていながら、絶えず音楽が流れている自然さは、さすが巨匠チッコリーニ。ハ短調終楽章の気品に満ちた愁いは、ほかではなかなか聴くことはできないかもしれません。ヘ長調ソナタも、シンプルな音型の伴奏の一音一音までが磨き抜かれた美しさ。カチッとしたテンポ、そして終楽章の華麗なパッセージも鮮やかに決まっています。
★年齢を重ねてなお磨かれてゆくチッコリーニのピアノ。ベヒシュタインのあたたかみのある音色とともに、チッコリーニの芸術にどっぷりと浸ることのできる1枚です。

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