まるでワーグナーかマーラー?
ゲルギエフ芸術の総決算、驚くべき深さのスクリャービン
- アーティスト:ワレリー・ゲルギエフ
- レーベル:LSO LIVE
- 品番:LSO-0770
- ジャンル:ジャンルクラシック交響曲
- 価格:オープン価格
- 形態:2SACD Hybrid
- 録音情報など:DSD 5.1 Multi-channel
- 収録時間:90:00
まるでワーグナーかマーラー?
ゲルギエフ芸術の総決算、驚くべき深さのスクリャービン
スクリャービン:
1. 交響曲第1番ホ長調Op.26
2. 同第2番ハ短調「悪魔的な詩」Op.29
ワレリー・ゲルギエフ (指揮)ロンドン交響楽団、同合唱団
エカテリーナ・セルゲイエワ(メゾソプラノ)、アレクサンドル・ティムチェンコ(テノール)①
[録音:2014年3月30日①、4月10日②/バービカン・ホール(ライヴ)]
★SACDハイブリッド盤。ゲルギエフとロンドン交響楽団は2014年3月から4月にかけて彼としては初めてスクリャービンの交響曲全5篇を上演しました。昨秋に第1弾として第3番と「法悦の詩(第4番)」をカップリングでリリース (LSO0771)し、話題となりました。
★どちらもスクリャービン初期の作品ですが、若き日に大のワグネリアンだった影響に加え、交響曲の規模を拡大し、声楽まで動員している点はマーラーを思わせます。ゲルギエフの得意とする音楽の集大成した感があり、これ以上彼向きの作品は珍しいと申せましょう。
★交響曲第1番は1899-1900年の作で、全6楽章50分の大曲。第5楽章にはメゾソプラノとバリトンの独唱、終楽章には混声合唱が起用されています。歌詞はスクリャービン自身のよるロシア語の芸術讃歌で、マーラー風な響きと充実度に満ちていますが、編成が大きいため演奏頻度は多くありません。この曲がついにゲルギエフの演奏で登場。絶妙なバランスでオーケストラと声楽を統率、若きスクリャービン独特の鮮烈な叙情と、不思議な光に満ちた世界から、感動的なクライマックスに導きます。この秋、マリインスキー・オペラで来日予定のセルゲイエワが説得力満点な歌唱を聴かせます。
★交響曲第2番は全5楽章の純器楽作品。メシアンを先取りしたような、延々と鳥の囀りを描写した第3楽章が独特。フィナーレはワーグナー風のロシア音楽で、カッコ良さの極み。初演当時は酷評されましたが、ゲルギエフの演奏で聴けば、チャイコフスキーの伝統上にある魅力的な交響曲であることを再認識させられます。
ワレリー・ゲルギエフ、マリインスキー劇場管弦楽団
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