(ハイレゾ配信)トロイカ

  • アーティスト:マット・ハイモヴィッツ、クリストファー・オライリー
  • レーベル:PENTATONE
  • 品番:NIPB-1007
  • ジャンル:ジャンルクラシック室内楽
  • 価格:¥4,000 (税込)
  • 形態:Hi-Res
  • 録音情報など:WAV 96kHz/24bit
           FLAC 96.0kHz/24bit 

TRACK LIST

ハイモヴィッツが音楽で問う現代ロシア

トロイカ

Disc1
①ショスタコーヴィチ:ワルツ第2番*
②同:チェロ・ソナタ ニ短調Op.40
③プロコフィエフ:トロイカ(「キージェ中尉」より)*
④同:チェロ・ソナタ ハ長調Op.119

Disc2
①ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調Op.19
②同:ヴォカリーズ
③ヴォクトル・ツォイ:ククーシュカ(かっこう)*
④プッシー・ライオット:聖母マリア様、プーチンを追い出してください*
⑤レノン&マッカートニー:バック・トゥU.S.S.R

*ハイモヴィッツ&オライリー編曲
 マット・ハイモヴィッツ(チェロ)、クリストファー・オライリー(ピアノ)
録音:2016年5月1-4日/スカイウォーカー・サウンド(ルーカス・ヴァレー、カリフォルニア

Artist

★ハイモヴィッツの新譜は旧ソ連とロシアのチェロ作品を集めていますが、一筋縄にいかないところが彼ならでは。アルバム・タイトルの「トロイカ」はロシアの三頭立ての馬車で、ここではラフマニノフ、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフを指します。この馬車で帝政ロシアからソ連、そして現時点のロシアを音楽で旅する内容となっています。
★メインはこの三者のソナタで、ハイモヴィッツは堂々たる辛口の演奏を繰り広げています。いずれもピアノ・パートが伴奏を越えた難しさと存在感を示しますが、オライリーがヴィルトゥオージぶりを発揮して効果をあげています。そのとなりに同じ作曲家の小品を添えていますが、いずれも意味深。ショスタコーヴィチの「ワルツ第2番」は「ステージ・オーケストラのための組曲」の一篇で、ユダヤ的な感覚を示しています。ハイモヴィッツはむしろ、キューブリック監督の遺作映画「アイズ・ワイド・シャット」でセクシャリティの問題について効果的に使われていることを意識して選んだと述べています。プロコフィエフの「トロイカ」はファインツィンメル監督の映画「キージェ中尉」の一曲。存在しないのに、人々の噂でキージェを英雄にしてしまった政府の愚かさと不注意を示唆し、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」で言葉の無意味さを実証します。
★ジミー・ヘンドリックスやレッド・ツェッペリンらのロックをチェロで奏して話題になったハイモヴィッツ、ここでもロシアがらみの刺激的なものを披露。ヴィクトル・ツォイ(1962-1990)は旧ソ連末期に若者の間で絶大な人気を誇ったロックバンド「キノー」のリーダー。1990年代初めに来日予定がありましたが、自動車事故で急逝しました。ツォイは朝鮮系ソ連人でしたが、共産主義末期の生活の苦しさ、アフガニスタン出兵などの政策を問う歌を数多く発表し、教祖的な存在でした。その代表作「ククーシュカ(かっこう)」がクラシック界に登場。
★ツォイから20年後、もはや共産主義国でないロシアで物議をかもしたのがフェミニスト・パンク・ロックバンド「プッシー・ライオット」。10人ほどの若いロシア女性から成り、救世主ハリストス大聖堂で「聖母マリア様、プーチンを追い出してください」を歌ったため、2012年にメンバーが逮捕されました。世界のミュージシャンが釈放を要求したことでニュースとなりました。ハイモヴィッツもメッセージを込めていますが、救世主ハリストス大聖堂はスターリンが破壊し、ロストロポーヴィチが中心になって再建した建造物なのが象徴的。そしてビートルズの「バック・トゥU.S.S.R」。トロイカがどこへ向かうのか、ハイモヴィッツの演奏が教えてくれます。


CDはこちら
http://www.kinginternational.co.jp/ganre/ptc-5186608/

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