チャイコフスキー:交響曲第4番へ短調 Op.36

初期フィルハーモニア管弦楽団を育てた指揮者達
第2弾はリムスキー=コルサコフ、グラズノフに作曲を
チェレプニンに指揮法を師事した ニコライ・マルコ(1883-1961)!

  • アーティスト:ニコライ・マルコ
  • レーベル:OPUS 蔵
  • 品番:OPK-7071
  • ジャンル:ジャンルクラシック交響曲
  • 価格:オープン価格
  • 形態:CD
  • 付属品:日本語帯・解説付

TRACK LIST

チャイコフスキー:交響曲第4番へ短調 Op.36
チャイコフスキー:大序曲「1812年」Op.49 
ウェーバー:「オベロン」序曲
ニコライ・マルコ(指揮) フィルハーモニア管弦楽団
録音:1953年
原盤:UK-HMV LP

★第一次大戦で多くの音楽家を失ったイギリスは、第二次大戦では優秀な若手演奏家を軍の音楽隊(オーケストラ)に隔離し守りました。戦後レッグが設立したフィルハーモニア管弦楽団の主要メンバーに彼らが加わったのは当然で、フィルハーモニアは最初から優秀なオーケストラでした。まだベルリン・フィルやウィーン・フィルが戦後の再建で苦しんでいる頃、1952年の演奏旅行時には世界最高のオーケストラと称えられています。当初からEMI(Columbia,HMV)の看板オーケストラであり、モノラル時代も優秀録音が揃っています。そこでこれら録音をいくつか復刻することにしました。第2弾は名指揮者ニコライ・マルコです。指揮の先生として有名なムーシンの先生でもあり、あのムラヴィンスキーの前任指揮者でもあります。なお、本CDのブックレットには彼の子息ジョージよりお気に入りの写真の提供があり使用しています。 ウクライナのブライロフ生まれの指揮者、ニコライ・マルコ(1883-1961)は1902年にロシアのサンクトペテルブルク音楽院に入学。08年より同市のマリインスキー劇場の指揮者をつとめているとき、ロシア革命に遭遇。25年からレニングラードと名前をあらためた同市の音楽院の指揮科教授と歌劇場の芸術監督、そしてレニングラード交響楽団の指揮者を、29年までつとめた。この間、26と27年にはソ連期待の新進作曲家、ショスタコーヴィチの交響曲第1番と第2番の世界初演を指揮している。しかし1929年に出国、亡命。デンマーク放送交響楽団の常任客演指揮者となり、第2次世界大戦中はアメリカに移住し、市民権を得ていた。戦後はヨーロッパに戻り、30年代同様にデンマーク放響を中心に、各国のオーケストラに客演していた。そして、1945年から録音と実演を開始したばかりの、フィルハーモニア管弦楽団のレコーディングに招かれたのである。当盤収録のチャイコフスキー交響曲第4番のレコーディングは、LP時代に移った53年1月30日と31日、キングズウェイ・ホールにて。マルコにとっては48年のボロディンの交響曲第2番以来、ひさびさの交響曲の録音だった。《1812年》は53年2月6日にキングズウェイ・ホールでレコーディングされている。マルコの指揮を聴いていると、私はときにかれがスラヴ系の指揮者であることを忘れてしまう。カタカナで書くと、スラヴ系というよりもラテン系のような印象があるからかも知れないが、それ以上に、この人がサンクトペテルブルクの洗練された、貴族的な芸風をもっているからだろう。この交響曲第4番にも、すっきりと品のいい響きが随所に登場して、その個性をよく感じることができる。同年5月1日にアビー・ロード・スタジオで録音された、ウェーバーの《オベロン》序曲にただよう幻想性と豊かな生命力にも、よく発揮されている。マルコはこの後もHMVに録音を続け、そのなかではレーベル初のステレオ録音といわれた、1955年のプロコフィエフの交響曲第7番が有名だ。なおマルコは59年12月に唯一の来日公演を行なっており、このときに東京交響楽団を指揮したプロコフィエフの交響曲第7番の録音がCD化されている。 (山崎浩太郎)
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