美しいメロディに驚き!これは凄い。
リヒテルの実父作曲の弦楽四重奏曲が日の目を見た
- アーティスト:オデッサ弦楽四重奏団
- レーベル:PROFIL
- 品番:PH-15011
- ジャンル:ジャンルクラシック室内楽
- 価格:オープン価格
- 形態:CD
- 録音情報など:D D D
- 収録時間:57:59
美しいメロディに驚き!これは凄い。
リヒテルの実父作曲の弦楽四重奏曲が日の目を見た
①テオフィル・リヒテル:弦楽四重奏曲ヘ長調
②フェリクス・ブルーメンフェルト:弦楽四重奏曲ヘ長調Op.26
オデッサ弦楽四重奏団
録音:2014年7月11-13日/ハルベルク放送局(レーゲンスブルク)
★スヴィヤトスラフ・リヒテル生誕百年を記念して、彼の生地オデッサ市が贈るアルバム。何と彼の実父テオフィル・リヒテル作曲の弦楽四重奏曲が世界初録音されました。
★リヒテルの父テオフィルは、1872年にウクライナで生まれたドイツ人。ウィーン国立音楽大学で学び、同地に20年以上暮らした後、ウクライナへ帰国。オデッサ音楽院で教鞭をとりました。しかし第2次世界大戦中、ドイツ領事館でピアノを教えただけで、スパイ嫌疑をかけられ逮捕されます。息子に累が及ぶことをほのめかされ、それを避けて虚偽の自白をし、1941年に処刑されました。
★彼はいくつかの作曲を残しており、その草稿を息子リヒテルが大事に保管していました。これまでリヒテルのためにカガンやグートマン、ボロディン四重奏団がプライヴェートに演奏して、彼を狂喜させたそうですが、ついに録音が登場することとなりました。メロディにウクライナ的な歌があるものの、作風はドイツ流でブラームスやグリーグを思わせます。終始美しいメロディに満ちていますが、大のワグネリアンだったらしく、和声はワーグナーかリヒャルト・シュトラウス風の近代性を感じさせます。リヒテル自身は、「魅力的で作り物めいたとろがないところが気にいっている。それはパパの作品にもともと備わる長所なのだ」と絶賛しています。リヒテルの才能は父親ゆずりで、息子へ伝わった天才のDNAを実感できます。
★カップリングは、リヒテルの師匠ゲンリヒ・ネイガウスと、作品を愛したシマノフスキの伯父だったフェリクス・ブルーメンフェルトの弦楽四重奏曲。彼はホロヴィッツの師としても知られ、技巧的なピアノ曲を数多く作っていますが、室内楽作品はあまり演奏されることがないので大歓迎。弦楽四重奏曲ヘ長調は初期の作で、ボロディンやグラズノフの作品を思わすキャッチーなメロディにあふれています。
★オデッサ弦楽四重奏団は、オデッサ・フィルのメンバーにより1981年結成された団体。近現代作品、珍品に興味を示し、高水準の演奏を繰り広げています。