アンスネスの妹、イングリによるディアベッリ
- アーティスト:イングリ・アンスネス
- レーベル:SIMAX
- 品番:PSC-1350
- ジャンル:ジャンルクラシック器楽曲
- 価格:オープン価格
- 形態:CD
- 収録時間:63:27
アンスネスの妹、イングリによるディアベッリ
33+1
ベートーヴェン: ディアベッリのワルツの主題による33の変奏曲 ハ長調 Op.120
ラーシュ・ペッテル・ハーゲン(1975–): ディアベッリ・カデンツァ(ピアノとEBowのための)
イングリ・アンスネス
(ピアノ[Steinway Mod. D-274 No.77.141, 1893 New York(Res. 2010 S&S, Hamburg])
録音:2015年8月3、4日、6、7日 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
★イングリ・アンスネスはノルウェーのピアニスト。1978年、西海岸のローガラン県、カルモイの生まれ。ロンドンのギルドホール音楽演劇学校のジョアン・ハヴィル、オスロのバラット=ドゥーエ音楽学校のイジー・フリンカに学びました。2003年にチェコで開催されたフィルクスニー・コンペティションでヤナーチェク賞を受賞。ソリストとしての活動に加え、ソールヴェイ・クリンゲルボルン、アルヴェ・テレフセン、ホーヴァル・ギムセ、ノルウェー・ソリスト合唱団をはじめとする音楽家たちと共演してきました。2010年にはテレマルク室内管弦楽団のアルバムでモーツァルトのピアノ協奏曲第12番を弾き、飾らない、チャーミングな音楽は、国内そして海外の聴衆と批評家から好感をもって迎えられました。
ソロアルバム第1作『33+1』のプログラムに選んだ《ディアベッリ変奏曲》は、かつて、病気で休んでいた彼女が、ピアニストとして復帰するにあたり、「しばらく使っていなかった筋肉のコントロールと力と愛を取り戻すため」に弾いた作品です。最後のピアノソナタとなる第32番を書いた後にベートーヴェンが完成させた「33」の変奏曲。「《ディアベッリ変奏曲》は、必要としているまさにその時に『私に投げつけられた』に違いないと思っています。私に必要だったのは、技術面で大きな挑戦を求め、力強さと忍耐と音楽に没頭することを要求する音楽でした…情熱、深い感情の動き、脆弱さ、そして、もっとも重要なもの『力』を、私は感じたいと思いました」。
2012年、ピアノの伝統的な役割を越えた活動に興味をもつようになっていた彼女は、アメリカの劇作家モイセス・カウフマンがオスロのノルウェー劇場で上演した『33の変奏』のプロダクションでこの曲を演奏し、今では重要なレパートリーのひとつにしています。
彼女は、《ディアベッリ変奏曲》のこの録音で、新しい試みを行いました。「フーガ」の第32変奏が終わり、最後の「テンポ・ディ・メヌエット・モデラート」に移るところ、ベートーヴェンの書いた「ポコ・アダージョ」の経過句に代わり、ラーシュ・ペッテル・ハーゲンが作曲した「ピアノとイフェクター“EBow”のため」の4分46秒の「カデンツァ」が演奏されます。ハーゲンは、彼女から依頼を受け、大きな不安を抱きながらも嬉しく思ったといいます。「ベートーヴェンの《ディアベッリ変奏曲》に足すものは、何もない。何かを加えると、足し算のつもりが引き算になる。ここで、割りこむことにより、私はベートーヴェンに制限をかけることを試みた。彼の音楽に新しい枠組み、ないし『影』を与える。それを私はやりたかった」。
録音セッションは、2015年8月、オスロのソフィエンベルグ教会で行われました。ピアノは、2010年に修復された1893年製のスタインウェイ。Simaxのチーフプロデューサー、アムンセンが制作にあたっています。