シルヴェストロフ:スペクトラム, 交響曲第2番

ヒーリング系ピアノ曲で注目のシルヴェストロフ
若き日の貴重な音源が日の目を見た。

  • アーティスト:イーゴリ・ブラシコフ
  • レーベル:WERGO
  • 品番:WER-6731
  • ジャンル:ジャンルクラシック現代音楽
  • 価格:オープン価格
  • 形態:CD
  • 録音情報など:D D D
  • 収録時間:76:09

TRACK LIST

シルヴェストロフ(b.1937):
①スペクトラム(1965)
②交響曲第2番(1965)
③ソプラノと室内管弦楽のためのカンタータ(1973)
④瞑想曲~チェロと管弦楽のための(1972)
⑤この世よさらば(シェフチェンコ詩)~静寂の歌(1977)よりブラシコフ編

ネリー・リー(Sop) ③、ワレンチン・ポターポフ(Vc) ④、ユーリ・オリイニク(Br) ⑤、
イーゴリ・ブラシコフ(指揮)レニングラード・フィル・ソロイスツ・アンサンブル①、レニングラード室内管弦楽団②、
ペルペツィム・モビレ室内管弦楽団③、キエフ室内管弦楽団④、室内アンサンブル⑤[ 録音:①1965年12月12日/グリンカ・ホール(レニングラード)、②1968年3月31日/レニングラード・フィルハーモニー大ホール、④1976年6月10日/キエフ国立フィルハーモニー・ルィセンコ・ホール(以上ライヴ);③1983年、⑤1991年(スタジオ録音)]

★いつのまにかニューエイジ風ピアノ曲の人気作曲家となってしまっていた感のあるヴァレンチン・シルヴェストロフ(1937-)ですが、1960-70年代はソ連きっての前衛作曲家として名を馳せていました。当アルバムにはその時代の作品が集められていますが、メロディア音源をはじめとする入手困難なものが目白押しでシルヴェストロフ・ファン、現代ロシア音楽ファン狂喜の内容となっています。
★初期シルヴェストロフの作風は、息の短い素材断片が楽器間を浮遊して響きあうもので、チェレスタやヴィブラフォン、ハープの明滅が独特の音色を生んでいます。前衛的ではあっても、武満徹を思わすデリケートな音世界で、今日の芸風の萌芽が感じ取れます。
★シルヴェストロフは現在までに交響曲を7篇作っていますが、1965年の第2番が収録されているのも嬉しい限り。フルート、打楽器、ピアノと弦楽合奏という編成によるわずか11分で、「歌詞のないマドリガル」と称されています。またロストロポーヴィチに捧げられた「瞑想曲」は32分の大作。レとラの空虚五度の持続音がベートーヴェンの第9交響曲の冒頭を連想させます。シルヴェストロフとしては珍しいfffによる恐るべきカタストロフを迎え、スコアには「舞台の照明を消し、指揮者とオケのメンバーはマッチを擦って明りを灯せ」とあります。
★すべてがシルヴェストロフの朋友でムラヴィンスキー門下のイーゴリ・ブラシコフが指揮を担っているのも貴重。また、ソプラノのネリー・リー、チェロのポターポフらソ連時代の超実力派たちがソロを務めているのも豪華。最新録音でも実現できない高みに達しています。

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