★ニーダロス大聖堂少女合唱団は、聖オラヴが礎を築いた町トロンハイムの大聖堂に1992年に創設されました。「わたしたち少女合唱団の使命の中心にあるのは、能力を試されるような脆い人生の局面で生きる技を身につけていくことです。帰属することを学び、見られ包まれていると感じることを学び、友情を築くことを学ぶ」。合唱団はこれまで、ヌールハイム、オーラ・ヤイロ、ボブ・チルコット、キム・アンドレ・アルネセンをはじめとする作曲家に作品を委嘱してきました。 創設25周年を迎える作品に選ばれたのは「レクイエム」。イギリス生まれ、オルガニストと作曲家としてノルウェーで活動するアンドルー・スミス(1970–)に作曲を依頼、少女合唱に管楽器の即興とオルガンを加えた作品が作られました。アルバム『光』は、この《レクイエム》と、その「エコー」ともいえるクライベルグの2つの作品で構成されています。 アンドルー・スミスの《レクイエム》は、カトリックの典礼文をベースに『聖書』の「子供」に関する部分をテクストに使い、グレゴリオ聖歌からインスピレーションを得た素材で作曲されました。〈入祭唱〉、オルガン・ソロの〈祈り〉、〈キリエ〉、わが子イエスの死を嘆くマリアを歌う〈彼女は泣いている〉、〈若い殉教者たちへの賛歌〉、王ヘロデの命令で殺されたラマの子供たちを悼むラケルの歌〈ラマの声〉、〈主は羊飼い〉〈サンクトゥス〉〈天国には〉。ECMレーベルの録音で知られるジャズ・プレーヤー、作曲家でもあるトリグヴェ・サイム(1971–)がサックスの即興、ジャズ・ミュージシャンのストーレ・ストールロッケン(1969–)がオルガンを弾いています。 ストーレ・クライベルグ(1958–)の《愛に寄せる賛歌》は、『新約聖書』の「コリントの信徒への手紙 I』(13章1節–13節)をテクストとする「信仰と希望と愛」の音楽です。「たとえ、人々の異言、天使たちの異言を語ろうとも、愛がなければ、わたしは騒がしいどら、やかましいシンバル……」(新共同訳)。大聖堂のオルガニスト、ペトラ・ビョルクハウグ(1964–)が共演する《光》は、ノルウェーの抒情詩人、作家、心理学者、ヘルゲ・トルヴン(1951–)の言葉「The light you need exists/Lyset du treng finst(あなたの必要とする光は存在する)」をテクストに歌われます。この2曲は、2011年7月22日にオスロとウトヤ島で起きた「ノルウェー連続テロ事件」で命を落とした若者たちを追悼するために作曲されました。 全作品を指揮する芸術監督、指揮者のアニタ・ブレーヴィク(1964–)は、1992 年の創設から合唱団に関わり、2018、ノルウェー国王功労褒章を授与されました。2015年の第58回グラミー賞の最優秀サラウンドサウンド・アルバムにノミネートされたトロンハイム・ソロイスツ共演の『マニフィカト』(2L106SABD)と同じモッテン・リンドベルグの制作。録音はニーダロス大聖堂でのセッション。合唱団、オケ、ソリストがマイク・セッティングを囲む(サラウンド)配置で「DXD(24bit/352.8kHz) 録音」されています。さらに今話題のMQA を搭載(MQA 再生には専用の機器が必要です。)、現在オーディオ界を賑わしている「Auro-3D」、「Dolby Atoms」と「MQA-CD」をこのアルバムで同時に楽しむことができます。 [5.1 DTS–HD MA,7.1.4. Auro-3D,Dolby Atoms と2.0 LPCM の音声を収録したPure Audio Blu-rayディスクと、SACDハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–rayディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACDハイブリッドディスクは通常のCDプレーヤーでも再生できますが、Pure Audio Blu-rayディスクはBlu–ray プレーヤーもしくはBlu–ray対応のPCをお使いください。また、CD層はMQA-CD仕様になっておりMQAデコーダーを搭載した対応機器を使用すれば、ハイレゾ・スペック音源を聴くことができます。]