おとぎ話

北欧のおとぎ話の美しくも狂気をはらんだ
不思議な世界に入り込むようなアルバム

  • アーティスト:クリスチャン・グローヴレン
  • レーベル:2L
  • 品番:2L-163SACD
  • ジャンル: ジャンル クラシック 器楽曲
  • 価格:オープン価格
  • 形態:SACD Hybrid
  • その他の製品情報:(5.0 surround/stereo)[DXD(24bit/352.8kHz)録音] [SACD: 5.0 multichannel DSD/2.0 stereo DSD/RedBook PCM: MQA CD]
  • 収録時間:85:08

TRACK LIST

おとぎ話

ゲイル・トヴェイト(1908–1981):風神の竪琴(1945)
クリスチャン・シンディング(1856–1941):ピアノソナタ ロ短調 Op.91(1909)
アルフ・フールム(1882–1972):おとぎ話の国 Op.16[魔法にかけられた庭で/王女さまが金のリンゴで遊んでいる/三匹のトロル/雪やこんこん/鬼の宴/オーロラの娘たち]
エドグリーグ(1843–1907):バラード ト短調 Op.24(1875–76)

クリスチャン・グローヴレン(ピアノ)
録音:2019年11月 ソフィエンベルグ教会 (オスロ、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング・ミクシング・マスタリング:モッテン・リンドベルグ
編集:ヨルン・シメンスタ、モッテン・リンドベルグ
★ノルウェーの人たちは “eventyr” という言葉を聞くと、おとぎ話、冒険談、民話、幻想物語といったことを思い浮かべると言います。ノルウェーのピアニスト、クリスチャン・グローヴレンは、このアルバムで、トヴェイト、シンディング、フールム、グリーグの作品を弾きました。「彼らの、狂気じみていたり、美しかったり、悲しみと喜びにあふれ、魔法と愛がいっぱい『物語』と向き合っていること、それ自体が冒険の物語だった」と彼は語ります。「故郷に帰ったような気分だ」。
★ゲイル・トヴェイト(ガイル・トヴァイト)(1908–1981)の《風神の竪琴》は、イェールハルド(ゲルハール)・ムンテの絵からインスピレーションを得て作曲された作品です。「…翼をつけた竪琴が、荒れる海を渡ってゆく、空高く、煌く星を弦(つる)にのせて」。フランス印象主義、とりわけラヴェルの《夜のガスパール》の影響が明らかな手法で書かれた、「険しい崖、深いフィヨルド、荒れた天気、そして、雲間から差し込む光がなによりも美しい、ノルウェー西岸を想起させる音楽」(グローヴレン)。手稿譜の日付は「1945年6月22日」。トヴェイト自身の1949年の録音(Simax PSC1805)は、彼の「私的」な版で演奏されたため、初稿を弾いたこの演奏がこの作品の事実上初めての録音です。
★クリスチャン・シンディング(1856–1941)の《ピアノソナタ ロ短調》は、1909年の作品です。シンディングの特徴が顕著に表れ、「《春のさざめき》という、たったひとつの作品でほとんどの人に知られている」彼の代表作のひとつとされています。「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」「アンダンテ」「ヴィヴァーチェ」の3楽章の構成。この作品をグローヴレンは、この作品を「シンディングの吠え声」と呼び、「私にとっては、ヴァイキング船、大きく膨らんだ帆、ヴァイキングたちの略奪と英雄的な行動という『サガ』のスタイルの作品」と語っています。アルフ・フールム(1882–1972)も、トヴェイトと同様、フランス音楽の影響を受けたひとりです。1920年の《おとぎ話の国》は、妖精やトロルなどノルウェーの伝説を題材にした作品で知られるテオドール・キッテルセンの絵画に通じる雰囲気をもち、画家でもあったフールムの「音の描画」と呼べる作品です。
★エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)の《バラード》は、1876年春、彼がさまざまな苦難をかかえていた時期に作曲されました。悲しい音調のヴァルドレスの民謡《北国の農民》を主題にした「変奏曲」の形式で書かれ、技術的、表現的なチャレンジと「冒険」を克服してはじめて、聴き手の心をとらえる輝かしい音楽として示される作品です。グローヴレンをはじめとする多くのピアニストたちから、ノルウェーのピアノ音楽でもっとも重要な作品とみなされています。
★クリスチャン・グローヴレン(1990–)は、ベルゲン生まれ。イジー・フリンカに教わった後、ノルウェー国立音楽大学でホーヴァル・ギムセとラーシュ・アンデシュ・トムテルに学びました。ウィーン国立音楽大学に留学、王立デンマーク音楽アカデミーではイェンス・エルヴェケーアのソリスト・クラスで学んでいます。ノルウェー国内の「青少年音楽コンペティション」には三度出場、第1位をソリストとして二度、室内楽奏者として一度獲得。ベルゲン・フィルハーモニックと共演した2007年の回には「聴衆賞」に選ばれました。『おとぎ話』は、配信だけの『Bach - Inside Polyphony』(2L139)に続く彼のアルバム第2作です。グローヴレンが29歳だった2019年11月、ソフィエンベルグ教会でセッション録音されました。
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