★フランス革命時に実在した詩人シェニエと伯爵令嬢マッダレーナの悲恋を描いたジョルダーノの傑作《アンドレア・シェニエ》。世界最高の歌姫アンナ・ネトレプコと夫のユシフ・エイバゾフが、シェニエとマッダレーナを演じて大きな話題となった公演の映像がリリースされます。
1896年にミラノ・スカラ座で初演された本作は、同劇場ではリッカルド・シャイーが32年前に上演した以来となります。新プロダクションの演出は映画、演劇監督としても活躍するマリオ・マルトーネ。彼の映画的視点、時代性を細かく反映した演出により、見ごたえのある映像に仕上がっています。
歌手にとっては、旋律的な表現力と、ドラマティックな演技力の両方が求められている作品で、特に詩人シェニエは、各幕でのアリアなど幅広い音域での音楽的表現が必要です。その点ではエイヴァゾフは素晴らしく、「ある日、青空をながめて」と「5月の晴れた日のように」は、歴代テノール歌唱の中でも光った存在と言えるでしょう。またネトレプコも革命で母親が殺され、地獄のような日々を歌う「亡くなった母を」では、豊かで艶やか声と巧みな表現力で絶唱を聴かせてくれています。そしてシャイーの活力ある意欲的な音楽作りが全体を推進しています。
トレイラーはこちら→
https://www.youtube.com/watch?v=N-IgyZnJSD4