★スラヴ民話に登場する水の精を題材としたドヴォルザーク作曲のメルヘン・オペラ《ルサルカ》。人間の王子に恋をした水の精ルサルカの悲しい物語。《ルサルカ》の音楽は、森の精たちの合唱や、王子の登場シーンで響きたわる壮大な金管など、ワーグナーのオペラの影響を感じさせつつ、ドヴォルザークらしい美しい旋律を堪能できます。特に第1幕で、王子を好きになった水の精ルサルカが、人間になりたい気持ちを歌う「月に寄せる歌」は、屈指の名アリアとして世界中のソプラノ歌手が単独でも取り上げている曲です。
本作は、2020年11月にスペインのテアトロ・レアルで上演された際の映像。驚くべきことに、テアトロ・レアルでの上演は、1966年の再オープン以降初めてということ。本上演はドイツの鬼才クリストフ・ロイによる新演出。ルサルカを歌うのは、圧倒的な歌唱と存在感を放つリトアニア出身のソプラノ、アスミク・グリゴリアン。王子への愛のために人間になったものの、王子の裏切りによって絶望の淵に立たされる水の精を完璧に演じています。クリストフ・ロイは、この物語を一人の若い女性の人生の軌跡として描いています。そしてテアトロ・レアルの音楽監督を務めるアイヴァー・ボルトンによる、ロマンティックなリリシズムと圧倒的なドラマで、質の高い上演となっています。
トレイラーはこちら→
https://www.youtube.com/watch?v=IOLkTCKvHik