★2019/20シーズンの幕開けとして上演されたプッチーニの名作《トスカ》。1800年のローマを舞台に、美貌の歌姫トスカと画家カヴァラドッシの悲恋の物語が、プッチーニの甘美な旋律と劇的なオーケストラで描かれる傑作オペラです。
本上演は、ミラノ・スカラ座の音楽監督リッカルド・シャイーが指揮、主役トスカにはアンナ・ネトレプコ、恋人のカヴァラドッシにはフランチェスコ・メーリ、宿敵スカルピア男爵にはルカ・サルシという豪華キャストが登場。またダヴィデ・リーヴェルモルによるプロジェクションマッピングや華やかな舞台装置を用いた見ごたえのある演出で、愛と欲望のサスペンス・ドラマをとことん楽しむことができます。
トスカ役のネトレプコの迫真の演技、圧倒的な歌唱力は、まさに現代最高の歌姫。名アリア「歌に生き、愛に生き」では豊かな声量、艶やかな歌声で魅了します。カヴァラドッシ役のフランチェスコ・メーリは、柔らかく輝かしい声をもつイタリアン・テノール。終盤の聴きどころ「星は光りぬ」では、情感豊かに歌いあげています。そして、ルカ・サルシのスカルピアも説得力たっぷりに悪役を演じます。シャイーの重厚かつ見事な完成度で聴かせる演奏も圧巻です。
[あらすじ]
1800年6月。ナポレオン軍が欧州で勢いを増し、ローマ共和国が廃止され教皇国家が復活した頃。画家のカヴァラドッシは、脱獄してきた政治犯アンジェロッティの逃亡を手助けする。そのことが明らかになり、カヴァラドッシは警視総監スカルピに捕らえられ死刑が告げられる。カヴァラドッシの恋人トスカは、カヴァラドッシを助けようとスカルピアに懇願しますが、スカルピアはトスカを脅迫して性的関係を迫る。ここでトスカによって歌われるのが「歌に生き、愛に生き」。トスカは逃亡するための通行手形をスカルピアに要求。その時、揉み合ってトスカはスカルピアをナイフで刺し殺してしまう。終幕では、収監されているカヴァラドッシがトスカへの愛の手紙を書いている途中に感極まって歌うアリア「星は光りぬ」はオペラのクライマックス。そしてトスカはカヴァラドッシの元へ行き、通行手形を手に入れスカルピアを殺したことを伝える。二人はつかの間の自由を喜ぶが、見せかけの処刑であるはずが、カヴァラドッシは本当に処刑されてしまい、最後にトスカもそれを追って命を断ち、オペラは悲劇に終わる。
トレイラーはこちら→
https://www.youtube.com/watch?v=7DYJkaJtPGQ