★ロッシーニ・オペラ・フェスティバルは、毎年8月にイタリア中部マルケ州のペーザロ市で開催されている音楽祭。2022年から芸術監督にロッシーニ・オペラ・フェスティバルの常連テノール歌手のファン・ディエゴ・フローレスが就任。音楽祭の新時代がスタートしました。
本盤は、2016年に同音楽祭で上演されたロッシーニの隠れた名作《湖上の美人》の映像。原作『湖上の美人』は、19世紀初頭を代表する詩人ウォルター・スコットの、スコットランド・ハイランドを舞台とした長編詩。
輝かしい高音を持つ現代最高のロッシーニ・テノールのフローレスが恋に迷う国王ジャコモ5世を、反乱軍の首領ロドリーゴを高低音域を自在に操る卓越した声をもつマイケル・スパイアーズが。フローレスとスパイアーズの声の対比が大きな見せ場ともなっています。そして、いま最も勢いのあるジョージア出身のソプラノ歌手サロメ・ジーチャがエレナを歌います。さらに2023年ローマ歌劇場の日本公演でも注目され、ロッシーニの申し子といわれている指揮者ミケーレ・マリオッティ(同音楽祭の創設者ジャンフランコ・マリオッティを父にもつ)というこれ以上ない豪華な布陣による上演でした。
あらすじ
16世紀初頭。舞台はカトリン湖のほとり。狩人ウベルトに扮したスコットランド王ジャコモ5世は、カトリン湖のほとりで出会った美女エレナを見初める。しかし彼女は国王に背くダグラスの娘で、マルコムという恋人がいる。しかし父ダグラスは反乱軍の首領、ロドリーゴと結婚させようとしていた。エレナのことが忘れられず再びウベルトに扮したジャコモ5世は、エレナに愛の歌アリア「おお甘き炎よ」を歌うが断られる。ウベルトは誠実さの証として自分の指輪を国王からのもらい物と偽りエレナに渡す。やがて反乱軍は国王軍に制圧され、ダグラスもマルコムも捕まってしまう。エレナは二人を助けようと、指輪を手に国王のもとへ向かう。国王を探すエレナに対しウベルトは自分の正体を明かし、ダグラスの罪を許す。さらに続いてマルコムにも恩赦を与え彼がエレナと結ばれることを許す。感激したエレナは王に感謝のアリア「胸の思いは満ち溢れ」を歌い大団円を迎える。
トレイラーはこちら→
https://www.youtube.com/watch?v=HtgDi4e0M7A