★ロッシーニ・オペラ・フェスティバルは、毎年8月にイタリア中部マルケ州のペーザロ市で開催されている音楽祭。本映像は、2017年に上演された新演出の歌劇《コリントの包囲》。
《コリントの包囲》(1826年10月9日パリ・オペラ座初演)は、イタリアで成功をおさめることができなかった《マオメット2世》(1920年)のフランス語改作として企画されました。制作途中であった1821年に勃発したギリシャ独立戦争に影響され、物語の舞台は1459年のギリシャの都市コリントに変更されています。初演当時は舞台映えのするドラマティックな作品として19世紀前半には各地で上演されるなど、非常に人気がありました。
本上演の演出は、『バレンシア・リング』として話題となったバルセロナのパフォーマンス集団ラ・フラ・デルス・バウスが参加しており、その中心メンバー、カルルス・パドリッサが演出を担当しています。バイロンの長編詩『コリントの包囲』(1816年)のテキストを映し出したり、大きなペットボトルを用いた壁など、カルルス・パドリッサらしい斬新な演出となっています。充実の歌手陣にも注目。マオメット2世はベネズエラ出身のルカ・ピサローニの華やかな立ち姿と堂々とした歌声、パミーラ役のニーノ・マチャイゼは劇的な歌唱で圧倒的な印象を残します。そして脇を固める歌手陣の実力も特筆すべきものがあります。特にロシアのテノール、セルゲイ・ロマノフスキー。《リッチャルドとゾライデ》のアゴランテ役が記憶に新しいですが、ここでもパミーラの恋人ネオクレスを好演しています。
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https://www.youtube.com/watch?v=5zenM_ynIiY&t=1s