★イタリア世界遺産ヴェローナの夏の風物詩と言えばアレーナ・ディ・ヴェローナ音楽祭。古代ローマ時代に造られた屋外闘技場の跡地「アレーナ・ディ・ヴェローナ」を会場とした世界最大規模の野外オペラ・フェスティバルです。毎年夏、10週間に渡って行われ、街の中心にある「アレーナ」の収容人数は16,000人を誇ります。 1913年から開催され、その歴史は100年以上。マリア・カラスをはじめ、オペラ界のスターがこの舞台に立ち、世界中のオペラファンを魅了しています。
★今回発売されるのは、プッチーニの名作《トスカ》。1800年のローマを舞台に、美貌の歌姫トスカと画家カヴァラドッシの悲恋の物語が、プッチーニの甘美な旋律と劇的なオーケストラで描かれる傑作オペラです。そして注目はその豪華な歌手陣。2023年9月に開催されたローマ歌劇場の日本公演でも熱演、トスカ役を得意とするソニア・ヨンチェヴァ。そして同じく日本公演にも出演し、圧倒的な存在感を誇るヴィットリオ・グリゴーロ。さらに悪役スカルピアにはロマン・ブルデンコと名実ともに現代オペラ界を牽引する布陣です。
★ヨンチェヴァによってトスカは当たり役で何度も演じていますが、現在、彼女以上にこの役をゴージャスに魅力的に歌える歌手はいないのでしょう。豊かな響き、スケール大きな歌唱、そして舞台での存在感は群を抜いています。カヴァラドッシ役のヴィットリオ・グリゴーロは、13歳のとき、パヴァロッティがカヴァラドッシを歌った《トスカ》に羊飼いの少年役で出演したことがあり、作品に深い縁があり、「パヴァロッティの再来」の名にふさわしい、テクニックと華を兼ね備えた現代最高のテノール。演出はアルゼンチン出身の演出家ウーゴ・デ・アナ、1982年イタリア生まれ、近年めきめきと頭角を現しているフランチェスコ・イヴァン・チャンパが指揮を務めています。
[あらすじ]
1800年6月。ナポレオン軍が欧州で勢いを増し、ローマ共和国が廃止され教皇国家が復活した頃。画家のカヴァラドッシは、脱獄してきた政治犯アンジェロッティの逃亡を手助けする。そのことが明らかになり、カヴァラドッシは警視総監スカルピに捕らえられ死刑が告げられる。カヴァラドッシの恋人トスカは、カヴァラドッシを助けようとスカルピアに懇願しますが、スカルピアはトスカを脅迫して性的関係を迫る。ここでトスカによって歌われるのが「歌に生き、愛に生き」。トスカは逃亡するための通行手形をスカルピアに要求。その時、揉み合ってトスカはスカルピアをナイフで刺し殺してしまう。終幕では、収監されているカヴァラドッシがトスカへの愛の手紙を書いている途中に感極まって歌うアリア「星は光りぬ」はオペラのクライマックス。そしてトスカはカヴァラドッシの元へ行き、通行手形を手に入れスカルピアを殺したことを伝える。二人はつかの間の自由を喜ぶが、見せかけの処刑であるはずが、カヴァラドッシは本当に処刑されてしまい、最後にトスカもそれを追って命を断ち、オペラは悲劇に終わる。
トレイラーはこちら→
https://www.youtube.com/watch?v=p4bh46ItUwA