★ベルリン国立歌劇場によるモーツァルトの初期の傑作《ポントの王ミトリダーテ》の新演出が映像としてリリースされます。モーツァルトが14歳の時に作曲した本作は、愛と権力、そして裏切りを描いた悲劇的な物語で、ひとりの女性をめぐって、王とその二人の息子を中心に展開します。
演奏は、鬼才マルク・ミンコフスキ率いるルーヴル宮音楽隊に、そしてタイトルロールのサモア出身のテーノル歌手ペネ・パティをはじめとした豪華歌手陣。さらに2007年4月からSPACの芸術総監督を務める演出家、宮城聰と日本制作チームによる上演。ベルリン国立歌劇場が日本人演出家を招くのは同歌劇場280年の歴史上初めてのこと。宮城聰は、第二次世界大戦末期の日本を想起させる演出で、繰り返される戦争と復讐の連鎖を描いています。本上演は、2020年11月に初演予定でしたが、コロナ禍で度重なる延期を経てようやく実現したもの。
あらすじ
紀元前の黒海沿岸にあったポントの王ミトリダーテの歴史物語。ミトリダーテは、ローマ軍との戦いに出陣する際に、若い許嫁のアスパージアを2人の息子に託し、自分が戦死したと嘘の報告を流して息子達のアスパージアに対する態度を試そうとする。かねてからアスパージアに思いを寄せていた長男ファルナーチェは、強引に彼女に結婚を迫り、彼女を守ろうとする次男シーファレと対立する。シーファレと惹かれ合うアスパージア、そこへ帰還するミトリダーテ。シーファレは父への忠誠心と愛の間で苦しむ。
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https://www.youtube.com/watch?v=H-dNFgFMy4E