★湖上のオペラ「ブレゲンツ音楽祭」。オーストリアの西端でドイツとスイスの国境近くに位置するブレゲンツ。裕福な市民の資金が投入され1946年からスタートしたこの音楽祭は、ボーデン湖の上を舞台とした湖上劇場をはじめ、隣接するホールなどで伝統的舞台芸術であるオペラと、最先端の技術を融合したスペクタクルなオペラが4週間にわたって上演されます。
★ヴィクトル・ユーゴーの戯曲に基づくヴェルディ初期の傑作《エルナーニ》。反乱軍のリーダー、エルナーニは、スペイン国王ドン・カルロが父親を殺害したことを知り、復讐を企てる。2人ともエルヴィーラを愛しており、さらに老大公シルヴァも姪であるエルヴィーラを花嫁に迎えようとしている。心を打つアリア、感動的な合唱、魅力的なアンサンブル歌唱など聴かせどころ満載であり、ソプラノ、テノール、バリトン、バスの四役に優れたキャストが求められることから上演機会はそれほど多くはありません。本上演ではタイトルロールに、アルバニア出身のテノール、サイミール・ピルグ。2004年に最年少ソリストとしてザルツブルク音楽祭でデビュー。プラシド・ドミンゴも絶賛する今後のオペラ界を担うスターです。ドン・カルロは現代を代表するバリトン歌手フランコ・ヴァッサッロ。シルヴァ役にはクロアチア出身のゴラン・ユーリッチ。そしてエルヴィーラには中国人ソプラノで世界の劇場で活躍するグアンチュン・ユ。近年オペラ界で活躍する屈指の名歌手が揃う充実ぶり。さらにイタリア出身、とりわけベル・カント・オペラを愛する指揮者エンリケ・マッツォーラ。演出は2022年9月からウィーン・フォルクスオーパーの芸術監督に就任したロッテ・デ・ベア。鬼才演出家ペーター・コンヴィチュニーの下で研鑽を積んだ実力を持つ演出家です。そして戦いのシーンにはラン・アーサー・ブラウンが振付師として名を連ねており、16世紀を想起させる凝った演出となっています。
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https://www.youtube.com/watch?v=HZXx9Xowk8U