★2020年に創立100周年を迎えたザルツブルク音楽祭。世界的パンデミックで開催が危ぶまれていましたが、会期を短縮し、プログラムを変更し開催されました。この記念すべき年に上演演目に選ばれたのは、音楽祭の創設者として名を連ねるリヒャルト・シュトラウス&ホーフマンスタールのコンビの、最初の作品である《エレクトラ》です。前作《サロメ》以上のインパクトを求め、リヒャルト・シュトラウスがオペラ史上最大規模のオーケストラを駆使し圧倒的迫力をもつ大作。
★エレクトラには、リトアニア出身の世界的ソプラノ歌手 アウシュリネ・ストゥンディーテ。音楽祭のオープニングを飾るオペラのタイトルロールにふさわしい、存在感のある歌唱は圧巻。そして妹のクリステミスを演じるのは、2018年の音楽祭で《サロメ》を歌い世界的に大きな話題となった同じくリトアニア出身のアスミク・グリゴリアン。本上演でも再びその才能を開花させています。
演出のクシシュトフ・ワリコフスキは、母親殺し、執着、復習、衰弱、壊れた家族の深い心理状態をリアルに描いています。
そして、ウェルザー=メスト、ウィーン・フィルの精緻かつ感情あふれる演奏は、この時世に大規模プログラムを選び、強いメッセージとして演奏して、聴衆に伝えようという気概が感じられます。
トレイラーはこちら→
https://www.youtube.com/watch?v=smur7u0JbeA