★ロバート・カーセン演出、ウィリアム・クリスティ指揮レザール・フロリサンによる、2020年12月にアン・デア・ウィーン劇場で上演されたラモーの歌劇《プラテー》。本作は2014年に新演出として上演されましたが、その際は、クリスティの不調により代役としてポール・アグニューが指揮しました。
★ラモーの《プラテー》は、1745年に初演。カエルの女王プラテーとギリシャ神話の神々による喜劇。このロバート・カーセンの演出では、神話的な出来事は読み替えられ、パリのオートクチュールの世界で起こります。大神ジュピテルは、ファッション界の皇帝ともいわれるカール・ラガーフェルド(1933-2019)をモデルとして描かれています。カール・ラガーフェルドは、シャネルやフェンディなどのデザイナーとして、長年ファッション界を牽引した“レジェンド”です。シャネルのようなブランド・マークがあらわれたり、カール・ラガーフェルドの愛猫シュペットをモデルにした本物の猫、バロック音楽に合わせて躍る激しいダンサーたちなど、この独創的でモダンな演出は初演時から話題となっていただけに嬉しい映像化です。また、そこには人を美醜で判断することによって起こる差別、消費社会の罪深さなどファッション業界や現代社会で起こっている問題を提起するような演出となっています。
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https://www.youtube.com/watch?v=eB_xdb11sNI&t=6s