フィンランドの作曲家ノルドグレンの「哲学」を感じる1枚
- アーティスト:ユハ・カンガス
- レーベル:ALBA
- 品番:ABCD-399
- ジャンル: ジャンル クラシック 協奏曲
- 価格:オープン価格
- 形態:SACD Hybrid
- その他の製品情報:5.0 surround/stereo
- 収録時間:63:17
フィンランドの作曲家ノルドグレンの「哲学」を感じる1枚
『嵐 - 恐怖』
ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944–2008):
ピアノ協奏曲第2番 Op.112(2001)(ピアノ、弦楽と打楽器のための)
エーディト・セーデルグランの詩による歌曲集Op.129(2003)(メゾソプラノ、弦楽とハープのための)
【神々はどこにいるのか/神々がやってくる/嵐/変身】
左手のためのピアノ協奏曲 Op.129(2004)(左手のピアノと室内管弦楽のための)
ヘンリ・シーグフリードソン(ピアノ) オストロボスニア室内管弦楽団 ユハ・カンガス(指揮)
モニカ・グループ(メゾソプラノ)
録音:2015年5月22日–23日(歌曲集)、25日–26日(協奏曲) スネルマンホール(コッコラ、フィンランド)
制作・録音:サイモン・フォックス=ガール
★「音楽は、孤立した『人工的』な芸術品ではない。だから、日々の生活や、目で見て、経験して、感じるといったあらゆることと作曲を切り離すことはできない。作曲は、言葉よりも的確に自己を表現するために必要な手段であり、他の人たちとコミュニケーションを図る方法だ」。フィンランドの作曲家ノルドグレンは、1976年にこう語り、その「哲学」を生涯変えることがなかったといわれます。彼の最大の理解者のひとり、ユハ・カンガス(1945–)とオストロボスニア室内管弦楽団によるシリーズ。ノルドグレンの作品の中で重要な位置を占める「協奏曲」の2曲と、彼のジャンルでは数少ない歌曲集が取り上げられました。
ピアノ協奏曲第2番はオウルンサロ音楽祭の委嘱作。弦楽の各パートを分割するオーケストレーションと打楽器の効果的な使い方によって「室内管弦楽団」の規模を超える表現をめざしたドラマティックな作品です。スウェーデン系フィンランドの詩人エーディト・セーデルグランの詩による2つの歌曲集のうち2003年の作品は、「神々はどこにいるのか」「神々がやってくる」「嵐」「変身」の4つの詩を劇的、論理的な流れに構成。ハープを加えた弦楽オーケストラのために作曲されました。2007年の初演と同じモニカ・グループが歌います。《左手のためのピアノ協奏曲》は舘野泉の委嘱により作曲されました。「旅に出た夫に捨てられたと思い、悲しみと怒りの末に死んでしまった女。戻ってきた男は、妻に八つ裂きにされるのではないかという恐怖に襲われる……」。小泉八雲の『影(Shadowings)』に収められた『死骸にまたがる男(The Corpse-Rider)』に基づく標題音楽です。「オープニング、第2ヴァイオリンが第1ヴァイオリンよりも半音低く調弦され、彼のこれまでのどの作品よりも幽霊っぽい雰囲気を醸し出す。骨まで凍りつきそうな泣き声をあげる打楽器。ピアノの最初の音楽は、恐怖にめざめた男の感情を表現すると考えられる……」(カレヴィ・アホ)。2つのピアノ協奏曲のソリストは、フィンランドのヘンリ・シーグフリードソン(1974–)。2005年にボンで開催された第1回国際ベートーヴェン・コンペティションで第1位と聴衆賞を受賞、室内楽特別賞を共同受賞、パルムグレンの3曲のピアノ協奏曲(ABCD385)とユッカ・リンコラの第1番の協奏曲(ABCD364)を Alba Records に録音しています。