★2013年に結成されたハンソン四重奏団、第2弾は「夜」をキーワードとする作品集。第1弾のハイドン(AP213)では、「ALL SHALL NOT DIE」という意味深いタイトルがつけられておりましたが、今回は「NOT ALL CATS ARE GREY」。これは、「暗闇ではネコはみなグレーに見える」という英語のことわざ(見た目は大事じゃない)にひっかけたもので、暗闇(夜)にインスピレーションを得て書かれた作品が並びます。デュティユーの名曲にして難曲「夜はかくの如し」は非常にふくよかで音楽的。堆積した音色が織りなすハーモニー、無機的とも思える音型のひとつひとつに血がかよった、あたたかみすら感じられる演奏。「夜」のもつ秘密めいた雰囲気や情景が美しく様々にうかびあがってくるようです。
★ハンソン四重奏団は2013年に、ハット・ベイエルレ(ヨーロッパ室内音楽アカデミー)、エベーヌ四重奏団、そしてジャン・シュレムらのアドヴァイスによって結成されました。ハイドンの弦楽四重奏曲を柱にしながら、細川俊夫、ヴォルフガング・リーム、マティアス・ピンチャーらといった現代の作曲家作品までをも演奏するマルチな才能を持つアンサンブルです。2016年ジュネーヴ国際音楽コンクール第2位、同年ヨーゼフ・ハイドン室内音楽コンクール第2位(ハイドン・プライズ、聴衆賞、20世紀作品のベスト演奏賞も同時受賞)するなど世界がその実力を認めています。