★いぶし銀とは正に彼のこと。現在75歳50年のキャリアを誇るブラジルを代表するシンガー・ソングライター、ピアニスト、アレンジャーのフランシス・ハイミ。日本では、熱心なブラジル音楽ファンの間ではもちろん評価されている存在ではありますが、何処か地味な存在であったフランシス。しかし、ここ数年再評価といいますか、彼の魅力に気がつき始めた音楽ファンがじわじわ増えているような気がします。飾らない等身大の愛ある歌の数々や彼のアレンジによる素晴らしい演奏を聴いていると、その才能の偉大さに驚かされるばかり。ジョビン亡きあと、フランシスは確実に同じレベルに近づいているのではないでしょうか。

★75歳とデビュー50年を祝うコンサートを収録した本CDは、フランシスのキャリアを網羅した楽曲、オーケストラ演奏も加えた壮大な音楽イヴェントとなっている。そして何より彼の音楽的ピークに立ち会っているかのような圧倒的な感動を味わえる内容となっている。

★ハープを奏でるクリスティーナ・ブラガをゲストに迎えたM5、指揮や芸術監督も務めるヴァイオリニスト、クラウディオ・クルスを迎えたM9、ラストには遂に奥方、オリヴィアが登場、シコ・ブアルキとの共作ナンバーM15を歌い上げ、オーディエンスは感動の拍手を送る。

★全ての音楽ファン必聴盤。DVDもぜひ。