★イラン系デンマークの作曲家アミール・マヤル・タフレシプール(1974-)の《カーテンの後ろにいる人形(The Doll behind the Curtain)》は、イラン初の現代室内オペラです。
★舞台は1930年代のフランスのル・アーブルとテヘラン。2幕の作品です。「イランからの学生、恥ずかしがり屋で内向的な性格のメールダードは、ル・アーブルでリセの課程を終えたばかり。イランに帰る日を待っているころ、ジャンクショップで美しいマネキン人形を見つける。世知に長けた校長から別れ際の説教を聞かされた後、止むに止まれぬ気持ちで、トンボーという名の謎めいた店主と孫娘ジゼルのいる店を訪れ、雪花石膏でできたマネキンを買う……」。
★イラン現代文学を代表する作家サーデク・ヘダーヤト(1903-1951)の同名の短編に基づきイギリスの劇作家ドミニク・パワー(1947-)が英語台本に執筆。2015年8月にロンドンのキングズ・プレースで行われた「テータテート・オペラ・フェスティヴァル」で初演、2020年にコペンハーゲンの王立デンマーク歌劇場で上演されました。
細タフレシプールの音楽は、ヨーロッパのモダニズムと東洋の伝統の音楽の間を自在に行き来しながら、「文明の衝突」の中ですべての個人が直面せざるを得ない選択の姿を確実に描いていきます。
★メールダードを歌うテノールのヨーナタン・フォン・シュヴァーネンフリューゲルや婚約者ビーター役のソプラノのシーネ・スネー・ドゥーアホルムをはじめ、王立デンマーク歌劇場の公演と同じキャスト。ノルウェーのアイリク・ハウコース・オーデゴールも同公演の指揮者です。コペンハーゲンのYMCAフェスティヴァルホールでセッション録音されました。
アミール・マヤル・タフレシプール(作曲家)
イラン系デンマークの作曲家。デンマークのエスビェア音楽アカデミー、ロンドンのトリニティ音楽カレッジとギルドホール音楽演劇学校でピアノと作曲を学び、2016年、ロンドンのブルネル大学の作曲博士課程を修了。2003年、ソロ・ピアノ作品の《Images of Childhood(幼年時代の映像)》でテヘラン大学の新音楽作曲コンペティションで第1位を獲得。各国の主要なアンサンブル、ソリスト、オーケストラからの委嘱が多い。2022年、アングロ・ペルシアン石油会社とイラン在住イギリス人のストーリーに基づくオペラ《The Black Gold》を作曲中。