セバスチャン・ファーゲルルンド(1972-):ヴァイオリン協奏曲《光の中の闇》(2012)
「点火する」(2010)

色彩的で洗練された音楽
フィンランドが生んだファーゲルルンドによる
美しい世界

  • アーティスト:ハンヌ・リントゥ
  • レーベル:BIS
  • 品番:BIS SA-2093
  • ジャンル: ジャンル クラシック 現代音楽
  • 価格:オープン価格
  • 形態:SACD Hybrid
  • その他の製品情報:5.0 Surround sound
  • 収録時間:56:56

TRACK LIST

セバスチャン・ファーゲルルンド(1972–):
①ヴァイオリン協奏曲《光の中の闇》(2012)
②「点火する」(2010)

ハンヌ・リントゥ(指揮)、フィンランド放送交響楽団
①ペッカ・クーシスト(ヴァイオリン)
セッション録音:② 2013年8月、① 2013年12月/ヘルシンキ・ミュージックセンター(フィンランド)
★SACDハイブリッド盤。1972年フィンランド生まれのセバスチャン・ファーゲルルンドは、21世紀の世界にどう『存在』するかを管弦楽作品によって探る、精神的ポスト=モダニズム作曲家のひとりです。豊かな音と速い動き、多面的でありながらもモダニズムの激烈さは嫌い、よく響く、色彩的で洗練された音と、明快でエネルギッシュなリズムといったことが、彼の音楽の主要な要素として挙げられています。BISレーベルによるファーゲルルンドの作品集は、クラリネット協奏曲、パルティータ、管弦楽のための《島》を収めた(BIS SA 1707)、オペラ《デーベルン》(BIS SA 1780)に続く第3作目となります。
★2012年のヴァイオリン協奏曲《光の中の闇》は、ペッカ・クーシストのためにタンペレ・フィルハーモニック管弦楽団がファーゲルルンドに委嘱した作品です。テューバ、バスクラリネット、ティンパニの「鼓動」を使った管弦楽の「漆黒の動き」に始まり、ソリストが「情熱的に」即興することを許されるカデンツァで閉じる第1楽章〈エネルジコ(エネルギッシュに)〉。タルコフスキーの映画『惑星ソラリス』をイメージ、「潜在意識下の存在(未知なる理性的存在)」を探る第2楽章〈レント・インテンソ(激しくゆるやかに)〉。「研磨するように耳障りな」主題を弾くソリストとオーケストラの楽器群を幅広い配置に対比させた第3楽章〈ブルスカメンテ(荒々しく)〉。《光の中の闇》の副題は、村上春樹の「とらえにくい叙述スタイル」を指してつけられたといいます。
★2010年作曲の《点火する》は管弦楽のための作品です。「らせん状に進む」構造がとられ、外側の〈プレスト、フリオーソ(きわめて速く、熱狂的に)と〈エネルジコ、モルト・リトミコ(エネルギッシュ、きわめてリズミカルに)の2つの楽章から始まり、中央の〈レント・ミステリオーソ、モルト・カルモ(神秘的にゆるやか、きわめて穏やかに)を通り、〈エサルタート(意気揚々と)〉でふたたび外に出る。バッカナーレのリズムも現れる「旋回」……「『ブレードランナー』牧歌」とでも言えそうなフィルム・ノワールのスタイルをもつSF的印象主義……ダウランドの《悲しみよ、来れ》を想わせるメランコリー……渦は広がり、音の聞こえない領域へ。4つの楽章は「エスプレッシーヴォ」(2曲)と「インテンソ」の3つの〈間奏曲〉により結ばれ、ヴァイオリン協奏曲と同様、切れ目なく演奏されます。《点火する》はフィンランド放送の委嘱により作曲され、サカリ・オラモに献呈されました。
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