★SACDハイブリッド盤。古代北欧歌謡集『エッダ』に基づくヨウン・レイフス(1899–1968)のオラトリオ『エッダ』は、4部の作品として構想され、彼が大規模な作品を中心に作曲活動を行ったころ、1935年から作曲が始められました。1939年に第1部「天地創造」が完成。1951年に第2部に着手したあと作業が中断、1966年になって最後の4つの楽章を完成させました。第3部「神々のたそがれ」に取り掛かったものの、作曲者が亡くなったため第3部は未完成、第4部「復活」はテクストだけが残されました。「幻のオラトリオ」とされた作品の第1 部「天地創造」(BIS SA 1350)は、2006年に初演され、史実をあえて無視して使った北欧青銅器時代と同じタイプの青銅ホルンや巨大な打楽器群をともなう大胆なオーケストレーションと、アイスランドのアイデンティティを刻んだ音楽により、アイスランド音楽史の貴重な遺産と呼ばれる作品になりました。第2部「神々の生涯」は、〈オーディン(Óðinn)〉〈オーディンの息子(Synir Óðins)〉〈女神(Ásynjur)〉〈ワルキューレ(Valkyrjur)〉〈ノルン(Nornir)〉〈戦士(Einherjar)〉の6楽章で構成した作品です。3人の独唱者、混声合唱と管弦楽を要する大規模な音楽に作られていることもあり、作曲者の存命中には演奏されず、2018年、アイスランド著作権協会(STEF)とアイスランド独立100周年記念委員会の資金援助により初演が実現しました。