★J.S.バッハと息子ふたりの作品を並べた1枚。ハンブルクに居を構える「エルビポリス・バロックオーケストラ」はケルン・フィルハーモニーやNDRのシリーズ「Das Alte Werk」で演奏し、ハレとゲッティンゲンのヘンデル音楽祭やシュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭の常連としても活躍する古楽のスペシャリスト集団です。
★W.F.バッハの弦楽合奏のためのシンフォニア(Fk67)は、付点リズムを伴う優雅で伝統的なフランス風序曲にギャラント様式の和声やダイナミックなコントラストを混ぜ合わせた冒頭楽章に始まり、ニ短調の穏やかな第2楽章、活発でフィナーレ的な第3楽章を経て、2部構成のメヌエットである第4楽章で締め括られます。作曲家の自信作だったようで、チェンバロ版も残されています。
★C.P.E.バッハの弦楽のためのシンフォニア(Wq.182-3)は、演奏者の技術を気にせず自由に書くことのできた「ハンブルク交響曲」と呼ばれる6曲からの1曲。作曲家の創意が炸裂し、奇妙なほどの楽想がダイナミックに展開されます。息もつかせぬ3つの楽章からなり、冒頭のアレグロはヴァイオリンの技巧的な扱いが特徴的。