スヴャトスラフ・リヒテル Vol.23

仰天。リヒテルがシマノフスキのソナタ第3番と「神話」をステレオで残していた!

  • アーティスト:スヴャトスラフ・リヒテル
  • レーベル:DOREMI
  • 品番:DHR-8037
  • ジャンル: ジャンル クラシック 器楽曲
  • 価格:オープン価格
  • 形態:CD

TRACK LIST

スヴャトスラフ・リヒテル Vol.23
シマノフスキ:
①ピアノ・ソナタ第2番イ長調 Op.21
②ピアノ・ソナタ第3番Op.36
③ 神話Op.30(全3曲)
④神話~ドリアードとパン(アンコールとして再演奏)


スヴャトスラフ・リヒテル(Pf)、オレグ・カガン(Vn) ③④
録音:1982年11月26日/ワルシャワ(ライヴ)


★近年、リヒテルの様々なお宝ライヴ録音が日の目を見ていますが、驚愕の未知録音が残されていました。なんとシマノフスキのピアノ・ソナタ2篇と、名作「神話」をオレグ・カガンと共演していました。もちろん世界初出。リヒテルのシマノフスキは、1954年のピアノ・ソナタ第2 番のモスクワ・ライヴや、「メトープ」の抜粋(デッカ盤)などしかありませんでしたが、前者のすさまじい剛演、後者の異様な没入ぶりから、他の作品もさぞや素晴らしいはずと想像されていました。当アルバムは、シマノフスキ生誕百年を祝って1982年11月にワルシャワで行われたリサイタルのライヴで、何とステレオ録音による奇跡の音質。

★2篇のピアノ・ソナタも「神話」のピアノ・パートも尋常ならざる難しさですが、リヒテルのピアノの師ゲンリヒ・ネイガウスはシマノフスキのいとこで、ピアニズムはまさに直系。さらに趣味嗜好が共通している点での共感の深さで、リヒテルほどシマノフスキ演奏の理想はないと申せましょう。

★シマノフスキのピアノ・ソナタ第2番は、交響曲第2番と同時期で姉妹作。シマノフスキの全ピアノ曲というより、あらゆるピアノ曲中最難曲のひとつで、作曲者自身「こんな悪魔的に難しい曲、誰が弾くのかしら」と言ったと伝えられます。両手ともにオクターヴでガンガン弾く部分の多い作品で、莫大なエネルギーと持久力が要求されますが、巨人リヒテルならでは、ピアノを完全に鳴らしきっていて興奮させられます。ピアノ・ソナタ第3番も恐るべき難曲ですが、音楽的にはキラキラした妄想の世界を彷徨うようで、リヒテルの語り口がまさに神業。一気に聴かせてしまいます。

★「神話」も絶品。カガンの冷徹な響きの美しさに魅かれますが、リヒテルの存在感が物凄く、ピアノ・パートの精密さと美しさを再認識させれくれます。このピアノ・パートを聴くだけのためでも持っていたくなります。

★この3作の超ど級的決定盤。シマノフスキのピアノ・ソナタを語るうえで、知らぬ訳にはいかぬ必携盤です。


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