■ルクセンブルクとロシア出身の演奏家が集い、現在はロンドンを基点に活動する多国籍なバンド=Tele-Portの堂々たる一枚目！「ヨーロッパのロマンス・知恵・忍耐力とアメリカの誇るジャズの歴史、そこに東洋の影響を塗した」という彼ら自身の言葉も実に頷ける、如何にも現代らしい国境を飛び越えるジャズの先端の音が聴こえてきます。
■冒頭から『Bitches Brew』のような不穏さもあるエレピのフレーズがあり、常にクールさを保ちながら進んでいくこの音楽、フュージョンの変異体と聴くことも充分ありでしょう。幅広い世代の多様な耳へ雄弁に語りかける間口の広さもまた魅力的です。
■現代ジャズの特色のひとつである電子音楽・音響との距離感を意識させる一枚、ミニマリズムはもちろんのこと、どこかラ・モンテ・ヤング的な呪術性を常に感じるのも面白いところです。