★オーディオマニア・レコードマニア垂涎の名店「グレイ」の店主阿部昌和氏が、90年代からヨーロッパ中を漂泊して仕入れた、貴重なヴィンテージレコード1万5000枚を通信販売用にカタログ化した「グレイ・リスト」(1993年1月~2012年11月)の完全書籍版。すべてのレーコードには、阿部氏自身が幾度も聴いた上で、小島政二郎かくやの魅力的な紹介文を掲載。それぞれのレコードには、その無二の文章と録音データ、スタンパー、マトリクス、イコライザーカーブ等の詳細データが添えられており、資料的価値も高く、ドキュメントとしての読み応えも存分の内容。
[阿部昌和氏より]
Grey Listは1993年1月から2012年11月までグレイレコード通販リスト全74冊分を番号順に編集して所収してあります。また通常の再生では違和感がある盤にイコライザーカーヴを表示しました。初期盤再生で避けて通れないのがカーヴの選択です。
忘れられたレコードを聴いていると、未知の演奏のジャングルに分け入る気分になります。蛇あり、トカゲあり、ワニあり、極彩色の小鳥も見えてきます。クラシック音楽は決して「きれいごと」などではありません。欲と静けさと激しさが絡みあって楽譜に映し込まれたものです。ですからクラシック音楽はエロスをずいぶんと隠し持っています。古いレコードを聴くと、体が生き生きとしてくるのもそのせいかもしれません。好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、と書きました。これは正直な日記です。
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