アンナ・ソルヴァルスドウッティル Anna Þorvaldsdóttir(1977–)の《私はひざまずき》は、ブクステフーデの《われらがイエスの四股》に対する現代の作曲家たちの「答え」のひとつとして、「膝」を題材にしたグヴズルーン・エーヴァ・ミーネルヴドウッティルの詩に作曲された作品。『ルカによる福音書』の「マリアの賛歌」(1章46節–55節)をテクストとするシーグルズル・セーヴァルソン Sigurður Sævarsson(1963–)の《マニフィカト》は、グレアム・ロスによるケンブリッジ・クレア・カレッジ合唱団のための委嘱作。2016年に作曲された彼の《レクイエム》は、これが初録音です。トリグヴィ・M・バルドヴィンソン Tryggvi M. Baldvinsson(1965–)の《夕べの祈り》は、聖職者ハトルグリームル・ピェートゥルソンの「闇の中の導きの光、キリスト」を詠んだ詩に作曲され、2021年、ケンブリッジ・クレア・カレッジ合唱団によりハトルグリーム教会で歌われました。
このアルバムのプログラムには、アンナ・ソルヴァルスドウッティルの《私はひざまずき》で演奏したドミートリー・アンサンブルによる弦楽オーケストラ曲が2曲、含まれています。交響曲《サガの英雄たち》(BIS 730)などの作品によりアイスランドでもっとも国際的に知られる作曲家、ヨウン・レイフス Jón Leifs(1899–1968)が母の死を悼んで作曲した《悲歌》。アイスランドの西部フィヨルド地方の湾を歌ったロックバンド「シガー・ロス(シーグル・ロウス) Sigur Rós」の《フリョウタヴィーク》は、ドミートリー・アンサンブルのヴァイオリニスト、ガイ・バトン Guy Button の編曲で演奏されます。セッションにはイギリスのソプラノ、キャロリン・サンプソンが参加。《私はひざまずき》と《レクイエム》の〈永遠の光(Lux æterna)〉のソロを歌っています。