ヒンデミット:世界の調和&管弦楽のための協奏曲/フルトヴェングラー&ウィーン・フィル、ベルリン・フィル

「世界の調和」は真正ステレオ!フルトヴェングラーの全録音のなかでも最高音質との噂が高い伊チェトラLP!オリジナル・マスターからついに世界初SACD化!

  • アーティスト:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
  • レーベル:KING INTERNATIONAL
  • 品番:KKC-4335
  • 国内盤:(国内企画)
  • ジャンル: ジャンル クラシック 交響曲 協奏曲
  • 価格:オープン価格
  • 形態:SACD Hybrid
  • その他の製品情報:STEREO / MONO
  • 収録時間:46:41
  • 付属品:国内製作・日本語帯・解説付(解説:小石忠男)

TRACK LIST

ヒンデミット:世界の調和(1953)&管弦楽のための協奏曲(1950)/フルトヴェングラー&ウィーン・フィル、ベルリン・フィル SACD-Hybrid

1. 交響曲「世界の調和」
2. 管弦楽のための協奏曲 作品38

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2)
録音:1953年8月30日 フェストシュピールハウス、ザルツブルク(ライヴ)(1)
1950年6月20日 ティタニア・パラスト、ベルリン(ライヴ)(2)
★「STEREO IS CCIR!」 CCIR(ヨーロッパのイコライザー・カーヴ)はSTEREOだ!
イタリア・チェトラ社のFE(フルトヴェングラー・エディション)シリーズの制作元ミラノ・ディスコス社から取り寄せたマスターテープのケースには「世界の調和」についてこう明記されていた!もう1曲「管弦楽のための協奏曲」の方には「ATTENTION : MONO IS CCIR !!」との注が。この違いは?!
★非ナチ化裁判でフルトヴェングラーを擁護するなど、深い友情で結ばれてきたドイツの作曲家ヒンデミット(1895-1963)。代表作2曲「世界の調和」と「管弦楽のための協奏曲」に遺した巨匠の貴重なライヴ。
「ヒンデミット作品は、贅肉のない引き締まった面を強調する指揮者が多い中、フルトヴェングラーは、深いところに根ざした拡張的アプローチを通じて、より肉厚で高貴な音楽を造り出している。現代的かつ機動的で清潔に演奏されるのが≪世界の調和≫の常道だが、フルトヴェングラーにかかると、厳密に定めた歩調と、重みをつけた響きによって、けっして有名とはいえないこの作品も貫禄を帯びてくる。てらいもなければ、ナンセンスの入る余地もないヒンデミットの書法には、解釈上の大きな誤差が生じるはずもないが、フルトヴェングラーの演奏はただ効果的というだけではない。時に熱を帯びる積極的な関与が見られ、つねに愛情が向けられている。≪世界の調和≫の二種類の録音のうち、優れているのはザルツブルクで演奏された二番目の方である。音質面でも、フルトヴェングラーの録音中、特筆すべきすばらしさの一枚と言えるだろう。」(『フルトヴェングラー グレート・レコーディングズ』ジョン・アードイン著 藤井留美訳 音楽之友社発行)

「ウィーン・フィルを指揮した「世界の調和」だが、これはディテールのすみずみまで克明に処理しながら、彫りの探さと壮大な高潮を兼ねそなえた秀演である。いわばフルトヴェングラーならではの表現だが、第1楽章では共感と情熱の激しさが端的に示されており、旋律の息ながく歌う粘着力もみごとに作品の内面と結び付いている。ヒンデミット特有の和音の変転を、えぐり出すように表現しているのも、この作曲者の書法を知りつくした結果である。第2楽章の歌の表情のもつ豊富なニュアンス、第3楽章の鮮明な楽想の表出もすばらしく個性的で、同時に作品の本質を鋭い感性で表わしている。この曲のように精緻な対位法を駆使した作品で、水平的な歌を弱めることがないのも、さすがというほかはない。
「オーケストラのための協奏曲」では、ベルリン・フィルの独奏と合奏の鮮烈な名技が、圧倒的と感じられる。この二つの曲で、ウィーン・フィルとベルリン・フィルがそれぞれの作品と密着しているのは、おどろくべきことだが、これはフルトヴェングラー自身が意識して選んだことかも知れない。この協奏曲では、コンチェルティーノのきめこまかく、また機能的な書法が、ベルリン・フィルの名技にうってつけである。あるいは合奏のデリケートな表情と結ばれた運動性の美しさ、爽快といえるほどのリズム感の確かさも、実にあざやかというほかはない。これは録音の古さを超えて、きき手に迫る演奏というべきだろう。その意味で、フルトヴェングラーは、いまも生きているのである。」(小石忠男、ライナー・ノーツより)

★「世界の調和」は1982年チェトラ盤LP(FE-22)が”ステレオ”表示で出た時に、翌年発売されたワーグナーの≪指環≫とともに大騒ぎされました。キングレコードでは84年に国内初出LP(K17C-9425)として発売されましたが、疑似ステレオではないかとの疑念からモノラル盤にしております。88年にチェトラでCD化されましたが(CDE-1049)、こちらも同様にモノミックスした音に。これをキングでは輸入盤日本語解説つきで発売(KICC-7152)、日本に来たマスターテープからのCD化は見送られてきました。
このたびSACD化にあたって、39年ぶりにミラノ・ディスコスが制作したアナログ・テープ(38cm/秒、2トラック)の音質をチェックしてみたところ、余りに音が良すぎることにびっくり!純正モノラルや疑似ステレオとは明かに違う2チャンネル録音の<空間を感じさせる雰囲気>があります。これは2020年に「オリジナル・ステレオ録音!!」として発売した≪魔弾の射手≫全曲(KKC-4246/7)のときに調べた以下の記事を思い起こさせます。
仏フルトヴェングラー協会会報1983年9月号 P.Jaquard氏(以下の記事翻訳、桧山浩介氏訳、レコ芸85年2月号『名演奏家ディスコグラフィ』より)
「1953,54年のザルツブルク音楽祭ではフルトヴェングラー自身の提案によって、ステージ左右にセットされた3本ずつのマイクを通じて2チャンネルで収録されていた。マスターテープのスピードは76cm/秒(2トラック)で、録音エンジニアは巨匠の娘婿にあたるアルフレッド・クンツである。」

「世界の調和」は1953年ザルツブルク音楽祭での録音です。まさにこの記事に該当する画期的録音ではないかと思わせる今回、マスターテープを一切加工せずに、世界初SACD化を行ないました。「世界の調和」は他社(EMI,ORFEO等)からもすでにCD化されていますが、もっともオリジナル音源に近い音でSACD化したフルトヴェングラーの貴重な名演・録音をご堪能ください。
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