★ウィーン郊外で毎夏に行われる野外音楽祭「グラフェネック音楽祭」は2016年10周年を迎えました。
トーンキュンストラー管弦楽団の本拠地のザンクト・ペルテンで行われるグラフェネック国際音楽祭は、ピアニストのルドルフ・ブッフビンダーが音楽監督を務め、トーンキュンストラー管弦楽団がレジデント・オーケストラで参加、2015年からは同楽団の音楽監督に就任した佐渡裕も登場しています。
この映像は2016年8月に行われた音楽祭10周年を記念するコンサートのライヴ映像。その記念すべきコンサートを佐渡裕率いるトーンキュンストラー管弦楽団が華々しく飾りました。コンサートのテーマは、「自由と友愛の精神」。まさにベートーヴェンの交響曲第9番を象徴するもの。EUユース管弦楽団の卒業生24名、新国立劇場での「サロメ」の好演が記憶に新しいカミッラ・ニールント、同じく日本で高い人気を誇るメゾ、エレナ・ツィトコーワ、世界的ヘルデン・テノールのクラウス・フロリアン・フォークト、類まれなる表現力が魅力のバス、ルネ・パーペら現在最高峰の豪華ソリスト陣、そして世界屈指の実力を誇るコーラス、ウィーン楽友協会合唱団が登場。佐渡裕といえば「第9」と連想するほど定着していますが、今回もこれまで彼が培った手腕が発揮され、圧倒的な熱量と迫力で全演奏者をまとめあげ、夏の野外音楽祭にふさわしい興奮と感動を与えてくれます。
また音楽祭のレジデンス作曲家であるクリスティアン・ヨストの新作も披露されました。まず音楽祭委嘱作品のファンファーレで開幕し、メイン・プログラム「第9」の前には、ベートーヴェンの歌曲「希望に寄せて」をベースに作曲されたオーケストラと声楽のための作品が世界初演されました。