★2020年2月にベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールで行われた、世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチと元ベルリン・フィルのコンサートマスターで現在はソロとして活躍するガイ・ブラウンシュタインによるデュオ・リサイタルの映像がリリースされます。
シューマンは生涯に3つのヴァイオリン・ソナタを残し、どれも彼の創作活動の最後期であり、第1番は1851年に書かれました。2人の演奏は、シューマンの本質をとらえながら、卓越した技巧と情感あふれる演奏を聴かせます。
プロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番は、原曲がフルート・ソナタですが、オイストラフより依頼され作曲自身によって改作したもの。両者ともに改心の演奏で、圧巻の音楽を作り上げています。
フランクがベルギーの大ヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイのために書いたヴァイオリンとピアノのためのソナタ。その美しく情熱的な曲想で、数あるヴァイオリン・ソナタの中でも人気のある作品です。るガイ・ブラウンシュタインの堂々とした表現と豊かな音楽性とそれを力強く柔らかく包み込むアルゲリッチの演奏は、数ある名演の中でもひと際印象に残るものです。
アルゲリッチはこの3曲ともにすでにクレーメル、ギトリスといった名ヴァイオリニストたちと録音していますが、ガイ・ブラウンシュタインとも親密な音楽的会話の中から、刺激的な「新しい音」を生み出しています。
アンコールではクラスラーの「愛の悲しみ」と「美しきロスマリン」が演奏されましたが、実際にクライスラーが所有していたストラディヴァリウスでガイ・ブラウンシュタインが演奏しました。
◆レコード芸術 2021年6月号 特選盤
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https://www.youtube.com/watch?v=9NwPyYm3QKw&feature=emb_title