★《トスカ》はローマを舞台に、美貌の歌姫トスカと画家カヴァラドッシの悲恋の物語が、プッチーの甘美な旋律と劇的なオーケストラで描かれる傑作オペラです。
本映像は、2019年6月、ウィーン国立歌劇場で上演されたライヴ。1958年カラヤン指揮によって上演されて以来、ウィーン歌劇場で600回以上も続いているマルガレーテ・ヴァルマンによる演出です。また名匠ニコラ・ブノアによる絵画のような重厚感と落着きのある舞台装置と衣裳も、この二人の苛酷で劇的な運命をよく表しています。
キャストは、タイトル・ロールを歌うのはアルメニア出身のソプラノ、カリーネ・ババジャニアン。今回がウィーン初舞台となりましたが、プッチーニを得意とし、新国立劇場の《蝶々夫人》でも印象的な歌唱を聴かせてくれた注目のソプラノ。そしてカヴァラドッシには、現代最高峰のテノール、ピョートル・ベチャワ。圧倒的な歌唱、軽やかな美声で麗しく感情豊かに歌い上げ、『星は光りぬ』ではこの舞台の注目を一身に集め大喝采を受けています。悪役スカルピアは、スペインを代表する名歌手カルロス・アルバレス。「史上最強の悪の使者」(ウィーン新聞)と称されるほど、はまり役と言えるでしょう。3人の歌手たちの見事な歌唱はもちろん、それぞれの演技も見ごたえがあり、スリリングなドラマにくぎ付けとなる上演です。
◆レコード芸術 2022年4月号 準特選盤
トレイラー:
https://youtu.be/h5CzecT7LAA