★2022/23シーズンは、ダニエル・バレンボイムがベルリン国立歌劇場の音楽監督に就任して30年という記念すべき年でした。様々な企画が打ち出される中、もっとも注目されていたのはディミトリ・チェルニャコフ新演出による《ニーベルングの指環》。4夜連続上演をシーズン中に4回行う予定でしたが、バレンボイムが体調を崩してしまったため、3回をクリスティアン・ティーレマンが、もう1回をバレンボイムの弟子でドイツの若手指揮者トーマス・グガイスが務めることになりました。ティーレマンはその後、2024年9月よりバレンボイムの後任としてベルリン国立歌劇場の音楽監督に就任することが決まっています。
そして今回C majorレーベルよりティーレマン指揮による4部作が映像商品としてリリースされます。
★第2夜《ジークフリート》は、英雄ジークフリートの成長と冒険を中心に展開されます。ワーグナーは、1856年から翌年にかけて作曲を行ったものの、第2幕の途中で様々な理由により作曲を中断、12年後の1871年にようやく完成したため、第3幕の音楽はより成熟したものとなっています。「鍛冶屋の歌」や「森のささやき」そして愛の二重唱など聴きどころに溢れた作品となります。《ジークフリート》は、登場人物8人で4時間半の長丁場を歌いきる、まさに歌手の力量が試される作品です。特にジークフリートは出番が多く、歌唱力、表現力、演技力を兼ね備えたヘルデン・テノールの存在が欠かせません。ここでは、ジークフリートを歌うために生まれてきたとも言われる現代最高峰のヘルデン・テノール、アンドレアス・シャーガーがその役を担っています。シャーガーは最後までのスタミナを切らすことなくアニヤ・カンペが演じるブリュンヒルデとの二重唱を歌いあげています。
トレイラーはこちら→
https://www.youtube.com/watch?v=k7kulIFY9Vw&t=37s