ソングス・フロム・ホーム

フレッド・ハーシュ、感動のソロ・ピアノ!
NYCを離れ、セカンド・ハウスで音楽に集中した一週間
コロナの影響で激変した日常の中、自己と向かい合った演奏の数々

  • アーティスト:フレッド・ハーシュ
  • レーベル:PALMETTO RECORDS
  • 品番:KKE-111
  • 原盤品番:PM-2197
  • 国内盤:(国内仕様)
  • ジャンル: ジャンル ジャズ
  • 価格:¥2,640 (税込)
  • 形態:CD
  • 付属品:輸入盤・日本語帯・解説付(フレッド・ハーシュ自身によるライナー翻訳を掲載)

TRACK LIST

フレッド・ハーシュ / ソングス・フロム・ホーム

1 Wouldn’t It Be Loverly (Loewe)
2 Wichita Lineman (Webb)
3 After You’ve Gone (Layton)
4 All I Want (Mitchell)
5 Get Out Of Town (Porter)
6 West Virginia Rose (Hersch) / The Water Is Wide (traditional)
7 Sarabande (Hersch)
8 Consolation (A Folk Song) (Wheeler)
9 Solitude (Ellington)
10 When I’m Sixty-Four (Lennon/McCartney)

メンバー:Fred Hersch (p)
★ピアノの詩人、フレッド・ハーシュが、本年(2020年)8月に録音した感動的なピアノ・ソロ・アルバム!!
★原点は、コロナ・ウィルスのパンデミックの初期段階。多くの音楽家がそうであったように、フレッド・ハーシュ自身も、人前で音楽を演奏することが突然不可能になった現実に、無力感を感じ、アイデンティティの喪失感を覚えたといいます。しかし、そんな気持ちを抱えながら、“誰かの一日が明るくなれば”と願いながら、ソロ・ピアノの演奏を、Facebookで毎日、投稿し続けたハーシュは、そこに寄せられたコメントを読み、とても救われ、励まされたのだそうです。そして、その後はFacebookでの投稿からは離れていきながらも、セカンド・ハウスという場でアルバムの録音ができるのでは、という思いをいだき始めたとのことです。
★タイトルも示すように、録音は、自宅(HOME)でのもの。しかし、これは、日常の延長ではなく、日常から離れて音楽と向き合った演奏の記録。NYの地を離れ、パートナーと共有するペンシルバニアの森にある第2の家での一週間、その間にフレッド・ハーシュは、パートナーにはNYにとどまってもらえるように頼み、スタインウェイと向き合って録音したとのことです。そして、なされた演奏は、筆舌に尽くしがたい響きとなってここに届けられました。
★完璧ではないと語られるものの、高い天井と、素晴らしい音響空間におかれたスタインウェイで紡ぎだされた音楽は、静謐でありながらも、深い癒しのようなものももたらす奥義極まるもの。取り上げた曲には、歌詞のあるカバー曲の数々も。しかしそれは作為的なものではなく、フレッド・ハーシュが“自らがジャズとは何かを知る前にさかのぼった”と語るもの。そして、実は、こうした楽曲を取り上げる作品を創ることは、前々から念頭にあったもので、数年前に来日した時、「いつか、自分が影響を受けたPOPS曲を演奏する作品を創りたい」と語っていたものでした。つまり、これは自己の歴史との対話でもあり、長く温めていたものを実現したものともなります。
★映画『マイ・フェア・レディ』の曲“Wouldn't it be Lovely”にきく、愛らしくもロマンティックで、深い響きをたたえたオープニングから、なんとも、心や体に優しくダイレクトに届く素晴らしい世界が・・・。ハーシュはこの演奏に“よりよい日々/世界への願いを込めて表現した”といいます。演奏曲の中では、母親に捧げたパーソナルな“West Virginia Rose”の再演と、トラディショナル・ソング“The Water is Wide”をメドレーのようにしてつなげるほか、キャリア初期から弾き続ける“Sarabande”などオリジナル曲も織り込む一方、尊敬するジョニ・ミッチェルの“All I Want”、また、グレン・キャンベルが歌った“Witchita Lineman”では“愛(と孤独)”を語る詩と対話するような切ない表現をみせ、感動的です。一方、20世紀初頭に生まれたバラード曲や、エリントンはジャズの伝統と語るような端正な演奏・・・そして、ラストは、敬愛してやまないジョン・レノンとポール・マッカートニーの“When I’m Sixty-Four”ですが、実は、フレッド・ハーシュは、今64歳。ストライド・ピアノの軽妙なアレンジウィットにも富んだ演奏で締めくくるところも、知性を感じさせるところです。
★ところで、作品のライナーはいつものように、フレッド・ハーシュ自身が手がけ、その最後には、こんなような言葉が・・・「私にとって何か意味のあるこの曲の数々が聴いてくれる方々の日々に温かさをもたらし、よき日々を平和ですごしつづけられますように」。予想もせず、大きなものが変化を強いられ、普通であると思っていたものが実は普通ではなかった、と感じさせられた今年。2020年は、衝撃的な年ではありますが・・・だからこその何かに気づかされる日々。ここに届けられたフレッド・ハーシュのピアノには、その大切な何かを思い起こさせるものがあります。
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